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Vol.8 資格の栽培面積を広げて“好き”を仕事に!

■好奇心の数だけ栽培面積は広げられる

 さて、資格を育てる方法の2回目。今回は「作物の栽培面積を広げるがごとく、資格を育てていく方法」についてです。

 前回は、1本の木を高く、大きく育てることで収穫量を増やしていく方法をお話ししました。この育て方は、ある一定の仕事の中で専門性を高め、評価や収入を確実なものにしていきたい、という堅実タイプの人に向いているといえるでしょう。対して栽培面積を広げて資格を育てていく方法は、自分の好きなことや得意なことを活かして幅広いフィールドで活躍したいと思っている、どちらかというと好奇心旺盛タイプの人にオススメです。

 具体的な例で見てみましょう。

■複数の資格を“好き”や“得意”で1本につなげる

 小さい頃から自然が大好き。とにかく植物に触れていたくて、華道、フラワーアレンジメントなど、花に関するたくさんの習い事を続けていたIさん。それぞれの習い事でもお免状(資格)は持っていましたが、まだここまでは趣味の領域。仕事といっても、花をあしらう技術を主婦仲間に教える程度にとどまっていました。

 Iさんの資格は、ここに森林インストラクターという資格が加わったことで一気に育ちます。資格がカバーするフィールドの幅広さーー昆虫や小動物、生態系、エコロジーなどの知識に持ち前の好奇心を刺激され、合格率20%以下(一次試験)の難関に半年で合格。すると、この資格とこれまでの経歴に目をつけた団体から、森林にある木の実などを使ったネイチャークラフト教室を開講しないかという依頼が舞い込みました。地元の小中学校からも、社会人講師として自然体験や農業体験を教えてほしいとの声が。さらに、生徒や生徒の保護者からのクチコミで、植樹祭や自然観察会の運営も頼まれるようになり、“お花が好きないち主婦”だったIさんは“自然の専門家”として評価されるようになったのです。

 それまで鉢植えで育ていた植物が広い土地に植え替えられて、さらにのびのびと成長し始めた、といったところでしょうか。点で存在していた資格たちにもうひとつの資格が加わったことで、すべての資格が1本の線でつながったのです。もちろんここまでになった背景には、ひとつひとつの仕事に誠実に対応したIさんの努力があったはずです。けれどIさんは、仕事が広がったことで好奇心もますますふくらみ、本格的に種子の研究に取り組んで成果を学会で発表するなど、趣味の領域でも注目を集めています。

■資格の組み合わせ+発想力で資格の品種改良も

 花つながりでもうひとつ例を挙げましょう。

 多忙な業務に追われていた元OLのYさんは、花とふれあう時間が唯一のリラックスタイムでした。フラワーアレンジメントの資格を取得するなど、腕前もかなりもの。そして「こんなに自分を癒してくれるお花って、心とどんなつながりがあるんだろう」と興味を持ったところから人生が変わっていきます。

 花を使ったヒーリング、さらに色や香りといった分野にまで関心を広げ、Yさんは“花”をキーワードにした幅広いジャンルをカバーするプロフェッショナルへと成長しました。現在彼女が携わっている仕事は、フラワーアレンジメント講師や会場装花、カラー診断、アロマテラピーなど、資格を単体で活かすものから、花と香りのセラピーワークショップ、香りと色を組み合わせたイベントスペースの提案といった複数の資格を組み合わせたオリジナルのものまで、実に柔軟で垣根がありません。前出Iさんのように資格の栽培面積を広げたうえ、さらに資格の品種改良まで始めてしまったという感じです。

 このように、栽培面積を広げるタイプの資格の育て方は、自由な発想で取り組めることが魅力です。むしろこの発想力の自由度こそが、資格の栽培面積を決める重要な要素になると言えるかもしれません。植えかえをしたり品種改良をしたりと聞くとなんだか難しそうな気がしてしまいますが、この二人の例を見てもわかるように、ベースにあるのは“好き”だったり“好奇心”だったり。要は、育てる本人が楽しんで取り組めばいいのですから、さほど苦にはならないのではないでしょうか。

 二回にわたって資格の組み合わせ方や広げ方をお話ししてきましたが、いかがでしたか? 最近の就職市場では「とにかく資格名を羅列した」といった感じの履歴書が多いと聞きます。けれど、人事の担当者もクライアントも資格の数だけでは魅力を感じてはくれません。並んでいる資格にどんな意味があるのか、それらを自分なりにどう活かせるのか。それを語れる人こそが、周囲の評価とよりよい仕事を手に入れられるのです。そのためにもぜひ、自分にあった資格の育て方を見つけて実践してみてください。手塩にかけた資格を持つ人の言葉は、きっと説得力に溢れていることでしょう。


今回のまとめ

●1本の木(資格)を大きく育てる方法は堅実タイプ、栽培面積を広げてたくさんの木を育てる方法は好奇心旺盛タイプに向いている。

●自分なりの“好き”“得意”のキーワードを意識することで、一見バラバラに見える資格たちもひとつのフィールドで活かすことができる。

●栽培面積(資格を活かすフィールド)の広さは発想力の自由度に比例する。栽培面積が広がれば、植え替え、品種改良などをして、より自分らしい資格の活かし方を見つけることもできる。


阿部志穂

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Vol.7 丹誠込めれば、資格も育つ!

■資格は生きている!

 こんにちわ。10月に入ってすっかり過ごしやすい気候になりましたね。「食欲の秋」「芸術の秋」、秋は何をするにも意欲的になれる季節。資格ブログ的には「勉学の秋」といきたいところです。

 で、今回のテーマは「資格を育てる」。

 育つんですよ、資格って。生き物ですから(笑)。丹誠込めて育てれば、やがて大輪の花を咲かせ、次、また次につながる種をどんどん生み出してくれることもあります。逆にきちんと活かしてあげないと、死んでいるのも同然に。では、上手に育てるにはどうしたらいいのでしょう? それには大きく2つの方法があります。植物の育て方に例えると、

1:ひとつの種(資格)を丹念に育てて大きな木にしていく方法。
2:ひとつの種から株分けをして栽培面積を広げていく方法。

 があります。今回は「1」について考えてみましょう。

■級分けされた資格なら、いずれ頂点を目指してみよう

 資格の種類には、美容師や司法試験のように、一度の合格で資格ホルダーを名乗れるタイプのものと、3級、2級、1級…といった具合にランク分けがされていて、同じ資格の中で、順次高いレベルを狙っていけるものがあります。まずは、このランク分けされた資格の上位級を次々に取得していくのが、資格栽培(?)初心者さんにうってつけの方法です。ここでは、おなじみの日商簿記検定を具体例として見てみましょう。

 4~1級に分かれているこの資格、まず4級は超ベーシックレベル。これから経理の仕事に携わろうという人、簿記の基礎を知りたいという人が小手調べに挑戦する、“プレ簿記検定”とも言えるランクです。履歴書に書いて意味をなすのは、商業簿記の理解が進み財務諸表を作成できる3級合格者から。これで企業の経理スタッフレベル。担当業務を体系立てて理解したり、ブログの2回目でお話しした「資格で仕事の棚卸し」をするのにもってこいのランクです。さらに2級は、工業簿記の知識も加わり企業の財務管理まで担当できるレベル。いよいよ転職市場で威力を発揮する資格へと成長していきます。仕上げの1級は経営者レベルといわれていて、合格率も1割程度の難関に。ここまで頑張れば税理士の受験資格が得られるなど、うれしいプレゼントも。4級からスタートすれば2年ぐらいかかる道のりではありますが、ここまでくれば、周囲の評価が格段に変わってくることで、「本当に資格が大きく育ったなぁ」と感無量になってしまうはず。資格を育てることの意義が、ひとつの資格で実感できるのです。

■資格を育てれば生涯成長し続けられる

 ここまでを、資格栽培の第1期としましょう。あなたの持つ資格は、すでに大きく花開いているはずです。けれどこの先、育った資格の木がさらに枝葉を広げ、たわわな果実を実らす可能性があるとしたら? ガーデニングに夢中になった経験のある人はおわかりかと思いますが、「是が非でもそこまで育ててみたい!」と思うのではないでしょうか?

 それでは、日商簿記1級を取得したことで得た税理士の受験資格。まずはこれを、あなたの資格の木に接ぎ木してみましょう。育てるのは少々難しい(難関資格)ですが、取得できれば独立開業主として、生涯安定した収入を得られる可能性も出てきます。枯れる確立がかなり低い木に成長したというわけです。税理士以外でも、会計学に特化する公認会計士を目指してもいいですし、コンサルティングの分野に興味があるなら社会保険労務士や中小企業診断士を取得してもいい。さらに、グローバルビジネスに興味があるなら、CPA(米国公認会計士)に挑戦する方法もあるし、逆に組織人としての足場を固めたいなら、簿記検定と並ぶ2大簿記資格の片翼・全経簿記能力検定も取得し、「とにかく自分は帳簿のスペシャリストなのだ」とアピールする方法だってあります。

 簿記1級取得者は、会計や経営の知識をすでに身につけているので、たとえ難関と言われている資格でも、ゼロから始める人に比べたら学習上は格段に有利。素養がある分、知識を関連づけて学べるので(つまり資格の育て方のコツをすでに知っているので)、新たに取得した資格を実務レベルに消化するまでのスピードも、加速度的に早くなっていきます。

 こういった栽培方法のベースになる資格を、わたしは「わらしべ長者資格」と呼んでいます。小さく始めても、丹念に手をかければ大きく育て上げることができるという意味です。福祉業界なら「医療事務系資格」や「ホームヘルパー」、ビジネスコンピューティングの分野なら「初級アドミニストレーター」がそれに該当しますし、人気のアドバイザー系資格の中でも「余暇生活開発士」などは、今後わらしべ長者資格にカテゴライズされていくのでは、と睨んでいます。

 資格とともに成長する人生。次回は「株分けで資格を育てる方法」についてお話しします。お楽しみに(^-^)。


今回のまとめ

●資格は生きている。手をかければ成長し、花も実もつけるが、間違った育て方をしたりきちんと活用していないと死んでしまう。

●級別にランク分けされている資格は、できる限り最上級を目指してみる。蓄えられた知識や周囲の評価が格段に変わり、次のステップに踏み出しやすくなる。

●さらに関連資格に目を向けることで、資格は枝葉を広げ、自分自身がより大きく成長できる可能性をもたらしてくれる。


阿部志穂

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Vol.6 いつまでも自分らしく働きたい貴女の資格

■ライフイベントに左右されない生き方は「手に職」をつけること

 こんにちわ。このブログを読んでくださっている方の中には、人生の岐路に立って、それを資格で乗り越えようと考えている人も少なくないと思います。年俸制の導入、業績不振によるリストラ、職場での人間関係など、組織で働く人にとって現在の雇用環境は必ずしも良い面ばかりとは限りません。さらに女性のみなさんは、そんな問題に結婚、出産、介護など、不可抗力に近いライフイベントも加わってきます(それを女性が主として担うことについての賛否は、ここでは脇に置かせてください)。「自分らしく働き続けたいけれど、出産だって経験したい。でもキャリアをあきらめるのはイヤ」そう思うことは、果たしてワガママなのでしょうか?

 一人の人間として社会とつながっている以上、わたしにはそれはごく自然な欲求のように思えます。けれど、社会の仕組みは、なかなかそんな女性の要望に応える方向には変わっていってくれないようです。そこで、今、「手に職をつける」というワークスタイルを考えはじめる女性が増えてきています。時代が進んでも価値の変わらないスキルを身につけることで、自分がどんな環境にあっても自分の腕で稼いでいく。決心するには少し勇気がいることですが、そんな女性の気持ちを、資格は少なからずあと押ししてくれます。今回は、女性の「手に職」として最適な資格をいくつか紹介してみましょう。

■女性による女性のための仕事、なら人生経験も生かせる

 女性の「手に職」として有効なのは、女性が女性を助けるという構図が成立する仕事だとわたしは考えています。それは、たとえば介護や保育など、女性のライフイベントに深く関わるジャンルの仕事。仕事をしている間、家族を見てもらいたいと思う女性も、それを受け入れる女性も、お互いにメリットを共有しながら仕事で自己実現ができる。そんな構図はちょっと幸せな形かなと思うのです。もちろん、男性が就いてもかまわない仕事ではありますが、同じ女性同士なら相手の境遇もより深く理解できますし、なにより、自らが経験した育児や介護も、仕事のプラスにすることができる。これぞ、一生モノの手に職ではないかと思います。

 保育や介護の仕事は、資格取得が前提であるものがほとんど。けれど、たとえば介護なら、講習を受けるだけで取得できる「ホームヘルパー2級」などのベーシック資格からスタートして、「介護福祉士」「ケアマネージャー」と経験年数に応じて、資格自体もレベルアップするなど、長く働くための仕組みも整っています。

 また、女性を対象にする女性の仕事としては、美容や癒しなどの仕事も考えられそうです。このジャンルのメリットは、自分のその時々のライフスタイルにあわせて、働き方も選びやすいこと。独身で体力もあるうちは、サロンに勤務しながらバリバリ経験を積み、結婚、出産などで家庭も大切にしたい時期は、自宅開業やクライアント宅への出張施術などで小規模に続けてもいい。

 また最近は、このジャンルと医療・福祉の業界がつながりを見せ始めていて、たとえば寝たきりのおばあさんの髪を切ってあげる人気の出張美容師や、妊婦のケアを専門にするアロマテラピスト、老人介護施設を中心に出張施術を行うリフレクソロジストなどの話題を耳にすることも増えてきました。美容や癒しで培ったスキルに人生経験を加えれば、ジャンルの垣根を越えて活躍することもそう難しいことではないようです。

 こうしてみてみると、現在女性が中心となって担っている仕事は「生きる」ということに直結しているせいか、環境や世代を超えてどんどんつなげていける可能性を秘めているような気がします。顕著な例では、保育所の不足と高齢者の介護予防という課題を同時にクリアするために、養護施設に保育園を併設する試みをスタートさせた地方自治体が増加中。ここで活用できる資格がいったいどれほどあるのかと考えただけで、なんだかワクワクしてきます。

 駆け足で紹介してきましたが、貴女が貴女らしく働き続けるためのヒントが、このトピックで見つけられたら幸いです。


今回のまとめ

医療福祉、美容、癒しにもさまざまな資格が存在するが、今回は、それぞれの業界で活躍するための基礎となる資格を紹介します。

◆ホームヘルパー

主催団体:各都道府県の担当窓口
資格概要:受験資格は特になし。3~1級があり、1級は1年以上の実務経験が問われる。指定の講習を受講すれば資格が認定されるが、今後取得方法が変更される可能性アリ。就職市場で有効なのは2級以上。

◆アロマテラピスト

資格概要:植物から抽出される精油を相手の体調に合わせて組み合わせ、症状を緩和するためのマッサージなどをする仕事。現在民間の団体が実施している資格試験には「日本アロマ環境協会認定アロマテラピー検定」 「JAA認定アロマコーディネーター」 「英国アイテック認定アロマセラピスト(東京アロマセラピーカレッジ)」などがある。

◆リフレクソロジスト

資格概要:全身の器官が投影された足の裏や手のひらなどの反射区を刺激する健康増進法。各国で発達してきた代替療法だが日本では英国式が広く知られている。「JREC 日本リフレクソロジスト認定機構」 「英国IFR日本支部(日本リフレクソロジスト養成学院)」などが資格試験を行っている。


阿部志穂

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Vol.5 資格の合格証書を「タダの紙切れ」にしない

■資格を活かす物理的資源「人」「情報」を確保しよう

 ここらでひとつ、自分にハッパをかける意味でも、打ち明けてしまいましょう。現在、ワタクシが取得を目指している資格、それは「キャリア・ディベロップメント・アドバイザー(CDA)」です。キャリアカウンセラーと一般に呼ばれている仕事に就く人たちのための資格で、現在、厚生労働省が肝いりで取得者を育成中。いくつかの団体が同じような資格を実施していますが、総じて「今が旬」と言っていいジャンルだと思います。

 わたしがCDAに白羽の矢を立てたのは、以前お話しした「新しい資格をいち早く」の法則に則った部分もあります。ファイナンシャル・プランナーなどが良い例ですが、注目株の資格は回を追うごとに受験者も増えるため、難易度もあがってきてしまうのです。前回はこの部分には触れませんでしたが、新しい資格を早いうちに取得しておくメリットは、注目度が高いうちに自分の足場を固めた方が得策という理由の他に、早めに挑戦しておいた方が比較的取得しやすいという現実的な理由もあるからなのです。

 ただ、わたしの場合、晴れて合格しても、CDA一本に仕事を絞っていくつもりはありません。では、なぜ受験することにしたのか? うーん、ちょっとあざといので告白するには勇気がいるのですが、実はわたしの目標は、合格後、資格の主催団体であるJCDAに所属することにあるのです。JCDAは、キャリアカウンセリングのプロフェッショナル集団。そこから入ってくる情報は、資格やキャリア情報を中心に執筆しているわたしにとって、とても有益なものだろうとにらんでいるのです。現場で活躍しているCDAとの交流で得られる生の情報、政府や各種団体からリアルタイムでJCDAに降りてくるキャリア関連の情報は、わたし一人がコツコツ取材をして集めてくる情報に比べて、恐らく、即時性もボリュームもはるかに勝っているはず。逆にそういう団体とつながりを持つことは、これから自分が新しい活動を展開したときに、より幅広くより早く広報しやすくなるという可能性も秘めています。

 つまりわたしは、資格そのものではなく、資格を取得した後に得られる人的、情報的資源を最初から狙っていたというわけなのです。

■スクールを活用すれば“始めの一歩”は踏み出せる

 今回、何が言いたいかというと、資格を活かすも殺すも、それは人と情報次第ということなのです。

 資格には、取得するだけで業務を独占的に行える権利が発生するものもあります。けれど、権利が発生したところでそれを執行する相手がいなければ仕事には結びつきません。そのためには、権利を執行する相手につながる人や情報に出会う必要だってあります。業務独占資格でなければなおのこと。せっかく取得した資格が紙切れのままで終わってしまう可能性は、さらに高くなってしまいます。けれど、その問題点を払拭するための可能性は、資格を取得するという行為そのものの中にすでにあるのです。

 今、資格を取得することで、新しいフィールドに飛び出そうと思っている人には、なるべくスクールや通信講座を利用することをオススメします。確かに、何万円もする受講料はイタい。難関資格に独学で合格した人のトピックを聞いたこともあるでしょう。けれど、スクールなどの教育機関は長い間培った受験のノウハウを持っていますから、特別な人の例を除けば、やはり合格への最短距離を示してくれることは間違いありません。それに、受講中に知り合うクラスメイトにはさまざまな職業、年齢、境遇の人がいるので、グッと視野が広がるはず。バッグボーンは違えど同じ目標をもって集まってくる受講生の中に身をおけば、その熱意におされて学習意欲が高まりますし、合格後は同士として、彼らが仕事上重要なブレーンになる可能性もあります。さらに、最近は通学制のスクールでも通信教育でも、就業サポートを充実させている講座がとても多い。このように、合格するまで、そして、そこから最初の一歩を踏み出すまでの人的、情報的資源は、教育機関に籍をおくだけで、たいがい得られるようになってきているのです。

 ただ、欲張りなわたしなどは、「スクールに行くだけでこんなにチャンス転がっていて、どうしよう、何から利用しようかな」なんて気色ばんでしまうのですが、実際には「スクールには通ったけれど、合格証書が届いただけでおしまいだった」と真顔で言う人も少なくありません。この違いはどこからくるのでしょう? やはり、取得した資格をどう活かすかというイメージが、できているかどうかではないでしょうか? その上で、人と情報が大切なのだとわかっていれば、必要な情報はおのずと飛び込んでくるものなのだと思います。資格を取得する過程で出会う、人、もの、情報は、いずれ必ずあなたを助けます。大切にしておいてソンはないですよ。

今回のまとめ

1:資格を活かすのに最も必要なのは、「自分はその資格をどのように使っていきたいか」という“想像力”である。

2:その想像を現実にするためには、“人”“情報”という資源を活用することが重要。それは、資格を取得する過程で十分に得ることが可能である。

3:スクールや通信教育は、試験に合格し仕事を始める第一歩までの資源はたいがい提供してくれる。ただし、与えられるのを待つだけでなく、自分がほしい情報を開示して取捨選択する必要がある。


阿部志穂

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Vol.4 新しもの好きを活かして資格で身を立てる!

■資格を活かす知られざる法則「新しい資格をいち早く!」

 こんにちわ。前回から資格の活かし方についてお話ししていますが、今回は少々イレギュラーというか、変わった視点からのヒントをお伝えしようと思います。

 「余暇生活開発士」という資格があります。その名の通り、余暇の過ごし方について提案やアドバイスを行うプロフェッショナルで、1992年に資格制度がスタートしました。希薄になってきていると指摘される親子間のコミュニケーションを深めるために、そしてなにより高齢化する社会の中で、定年を迎えた人たちに充実した余生の過ごし方を提案するために、“生涯学習”という言葉のもと、資格ホルダーの活躍の場は年々広がりを見せています。ただ、素晴らしいスキルを持ちながら、大半はまだボランティアの範囲内で活躍しているという現状があります。そんな中、親子イベントの企画運営、遊び関連本の出版、講演活動に加え、駄菓子屋を経営して自ら店主として子どもたちに遊びの楽しさを伝えるなど、八面六臂の活躍をしているTさんという余暇生活開発士がいらっしゃいます。彼女は、生活していけるだけの収入を資格でしっかり稼いでいるんです。

 彼女はこの資格の第一期生。試験がスタートした年の最初の合格者です。Tさんは自ら言っています。「新聞でこの資格が始まることを知ったとき、ちょっとあざといけれど、これはチャンス!と思ったんです。一期生は注目が集まるから、きっとマスコミ受けもするだろうって」。そのカンは見事にアタリ、フリーランサーとなってほどなく、仕事が舞い込み始めました。もちろん、彼女は合格証書を部屋に飾って電話が鳴るのを待っていただけではありません。資格を取得すると、自分の経歴、何ができるか、何がしたいかをまとめ、ダイレクトメールとしてマスコミ各社に送ったのです。そして、ひとつ仕事を引き受けると、それを見ていたマスコミが彼女を取材し、さらに新しい仕事につながっていくといううれしい連鎖が起こりました。確かに、見知らぬ相手に自分を売り込むのは少し勇気のいる行為。でも、宣伝材料を送っただけでやりたい仕事が実現できるのであれば、お安いものです。受験者が年間千人単位の定番資格では、同じ事をしてもここまでうまくはいかないでしょう。恐らく、資格制度スタートしてから10年以上経った現在、同じ余暇生活開発士の資格保持者がTさん同様のことをしたとしても。

■今年の大注目株は“知的財産”と“個人情報保護”関連資格

 実は、同じような発想で資格を活かしている人を、わたしは何人も知っています。つまり、新しく登場した資格は、できるだけ早いうちに取得してしまった方が、活躍の足がかりを作りやすいということなのです。なにも一期生でなければいけない、というわけではありません。ポイントは、資格の目新しさに注目が集まっているうちに、自分にもその世間の目を引きつけてしまうことなのだと思います。そのためには、取得を決めた時点で「自分ならこの資格をこう活かす」というイメージを、できるだけ詳しく持つことが必要です。そして、取得したら即実行。なんといってもこれは、ある程度資格保持者が出そろってしまう前に、アタマひとつ抜きん出てしまおうという出し抜き戦法なワケですから(笑)。これまでもお話ししてきた、「想像力を鍛える」ことの大切さです。

 新しく生まれる資格には、世の中の動きを敏感に反映している面があります。5年ほど前に多数登場したのは「DCプランナー」「DCアドバイザー」など、01年に導入された確定拠出年金法(日本版401k)関連のアドバイザー資格でした。そして、昨年から今年にかけての大注目株は、“知的財産”と“個人情報保護”関連資格。「知的財産検定」や「ビジネス著作権検定」のほか、「認定プライバシーコンサルタント」など、IT業界で頻繁に起こっている個人情報の流出に歯止めをかける役割を担う資格も登場しています。

 「年金?著作権?それは自分にはちょっと関係ないみたい」という人も、これからは新聞やニュースのチェックに精を出してみて下さい。想像力を巡らせてアンテナをしっかり張っていれば、いつかあなたにも「これは活かせる!」という流れがやってくるはずです。


◆余暇生活開発士
http://www.recreation.or.jp/
主催団体:(財)日本レクリエーション協会
資格概要:通信講座を受講して受験資格を取得する。満18歳以上であれば受講できるが、資格認定を受けられるのは満24歳以上。

◆DCプランナー
http://www.kentei.ne.jp/
主催団体:(社)日本商工会議所
資格概要:1、2級があり、累計合格者はすでに1万6000人を突破。商工会議所年金教育センターが2級の通信講座を開講している。

◆知的財産検定
http://www.ip-edu.org/
主催団体:知的財産教育協会
資格概要:昨年6月スタート。試験は1、2級があり、1級、準1級、2級、準2級を認定。全国6会場で実施。公認セミナーもあり。

◆ビジネス著作権検定
http://www.sikaku.info/
主催団体:サーティファイ著作権検定委員会
資格概要:昨年2月からスタート。初級、上級の2ランクがある。公式テキストを使って勉強する方法が中心。

◆認定プライバシーコンサルタント
http://www.jpca-npo.org/
主催団体:日本プライバシーコンサルタント協会
資格概要:3日×2回の研修を受けると資格が認定される仕組み。上位資格のシニアコンサルタントは7年以上の実務経験が必要。


阿部志穂

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Vol.3 定番資格こそ"自分らしさ"を活かせるツール

■取得した資格を活かすイメージ、あなたは持っていますか?

 みなさん、こんにちわ。もの書き阿部志穂は、この暑さに負けず働いています(^-^)。お盆が終わると、暑さの中にも秋の気配が少しずつ混じってきますが、資格的視点で見れば、9月10月は1年の中でも最も試験の多いシーズン。取得を目指して頑張ってきた人たちは、センチメンタルになっている間もなく、試験に向けてスパートをかけ始めた頃ではないかと思います。わたしも10月末にある資格の試験を控えています。同志のみなさん、あと一息、一緒に頑張っていきましょうね!

 試験の後に待つのは合格ばかり(希望的観測)ということで、今回は、取得後の資格の活かし方について考えてみたいと思います。

 今、資格の取得を目指している人は、その後の活かし方をどこまで考えていますか? 資格を活かす自分のイメージを、どこまではっきり持っているでしょうか。資格の活かし方、資格が活かせる場所は、書店に並んでいる資格ガイドにもとりあえずは掲載されています。けれど、それはあくまで代表例であり、それしか出来ないというものではないのです。

■個性溢れる活かし方を見つけた人は、とってもハッピー!

 たとえば「簿記(正式名称:簿記技能検定)」は、定番中の定番資格ではありますが、一般には経理職限定のイメージが強いと思います。でも、実際の取得者の中には、学んだ知識を活かして家計のスリムアップを実行し、見事、夢のマイホームを手に入れた主婦の方もいれば、クライアントの経営状況を分析した提案型営業が功を奏し、トップ営業マンにのぼりつめた人もいます。ネイリスト、なんて、一見簿記とは関係ない仕事の人が取得しても、独立開業する際には、原価計算や儲かるお店作りに知識を活かすことで、有能な経営者としての手腕を振るうことができるのです。

 また「社会保険労務士(社労士)」は、年金や保険のスペシャリストと言われていますが、なにも人事・総務職の人だけのものではありません。わたしがこれまでに取材した人の中には、長年歯科助手(歯医者さんの窓口業務)を勤め、歯科業務も、患者さんの気持ちにも精通しているという強みに社労士資格をプラス。近隣エリアの歯科医師の労務管理を一手に引き受ける仕事を始め、大成功を収めた女性がいました。「優秀な歯医者さんほど経営者としては危うい部分があって。そこを私がフォローできれば、お互いにもっといい仕事が出来ると思ったんです」という彼女の言葉は印象的でした。

■資格を活かすキーワードは「客観性」と「想像力」

 定められた業務範囲さえ超えなければ、資格はどんな風に活用したってかまわない。個性的な活かし方ができれば、就職市場では武器にさえなります。その方法を見つけるために必要なのは、「想像力」と「客観的な視点」。これは、前回お話しした“棚卸し”の作業にも通じてきますが、自分の強み、経験、やりたい仕事のスタイルがわかっていれば、極端な話、資格はその形に合わせていかようにもこじつけられるということです。逆に、取得後がイメージできていないと上手に活かせない資格だってあります。扱う書類が1万種以上にのぼると言われる「行政書士」などはその最たるもの。活躍中の取得者は「外国人の出入国・帰化」「農地転用・開発」など、みな得意分野を持っています。せっかく時間と労力を費やして取得する資格ですから、その威力は最大限に発揮させたいもの。そのために、ぜひ、学習中から想像力を鍛えることを忘れないで下さい。実はこれ、天職を探すためのプロセスと、同じだったりするんです。


◆簿記技能検定
http://www.kentei.org/boki/
主催団体:日本商工会議所
資格概要:簿記会計を通じて経営管理能力を測る資格試験。資格レベルは3~1級で、帳簿の記入方法がわかる3級、財務諸表が読み取れる2級、経営管理者レベルの1級と分かれている。就職市場で武器になるのは2級以上。試験は年に3回実施される。
受験資格:特になし。1級合格者には税理士試験の受験資格が与えられる。

◆社会保険労務士
http://www.sharosi-siken.or.jp/
主催団体:全国社会保険労務士会連合会 社会保険労務士試験センター
資格概要:労務や保険、年金などの法規に基づく申請書の作成、提出が主な仕事だが、労働環境の変化や社会の高齢化などに伴ってコンサルティングも重要な業務になりつつある。扱う法規は51種あり、業務範囲も広い。試験時期は毎年8月。
受験資格:短大、高校専門学校卒業以上、実務経験3年以上など、いくつかある条件のうちひとつを満たしている者。

◆行政書士
http://gyosei-shiken.or.jp/
主催団体:(財)行政書士試験研究センター
資格概要:総務省管轄の国家資格。「街の法律家」と呼ばれ、行政庁に申請する許可や認可のさまざまな書類の作成代行をする。独立開業も可能で、簿記、英検、宅建など、得意分野とのダブル資格で活躍の場を広げている人が多い。試験時期は毎年10月。
受験資格:平成12年より受験資格は撤廃され、誰でも受験できる。


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Vol.2 資格で今までの経験を形にしてみよう

■夏休み明けの「プチ鬱」対策、考えてます?

 こんにちわ。もの書きの阿部志穂です。暑い毎日が続きますが、みなさん元気でお過ごしですか? もうすぐ夏休み! 楽しい計画にワクワクし始めている頃だと思います。ステキな思い出がたくさんできるといいですね(^-^)。

 そんな気分に水を差してしまって恐縮なんですが、実はこの時期、ちょっとした落ち込みや不安を感じている人が案外多いものなんです。「楽しい夏休みが終わると、ああ、またいつもの生活、いつもの仕事。イヤんなっちゃうな、憂鬱だな…」。日曜日の夕方に訪れるあのブルーな気分のビッグバージョンとでも申しましょうか。あなたの心の中にも、そんなカゲがちらっとよぎったりしませんか? ちょっと人生を哲学してしまいそうな夏休み。こんなときこそ、実は「資格」の取りドキです。

 わたしがおすすめしたいのは、資格を使った人生の「棚卸し」です。棚卸しとは、今までの経験や担当してきた仕事の中で、自分がどんな強みを作ってきたのか、どんな得意があったのかを、点検して再確認する作業のこと。わかっているようで案外わかっていない自分の長所を知ることは、仕事への自信にもなるし、これからの人生をとても考えやすくしてくれます。それを資格につなげることは、誰が見てもわかる“長所の証明書”を作ること。職場へのアピール材料にもなるし、いずれ転職を考えたときには武器にもなりますよね。試験に向かって勉強すると長所がさらに強化されるので、一石が二鳥にも三鳥にもなってしまうというわけです。こうなると、夏休みが終わるのが怖いどころか、秋からの仕事が楽しみになってきそうだと思いませんか?

■自信がない人ほど試してほしい「資格で仕事の棚卸し」

 え? 「わたしはずっと事務職だから、これといった強みはないし、それにつながる資格もないでしょう」って? いえいえ、そんな人にこそ“資格で棚卸し”をぜひやってみてほしいんです。

 事務職一筋というあなた。「こんなこと、出来たってたいしたことないよ」と思っている仕事の中にも、あなたなりの好きや得意はあるでしょう? それをピックアップすることが、棚卸しの第一歩です。たとえば、書類を作るのが早いとほめられたことはありませんか? 同期のあの子が嫌がっているお茶くみも、あなたは案外好きな仕事かもしれない。後輩にパソコンを教えるのが上手、クレームでいらっしゃったお客さんを必ず笑顔で帰す、なんていうのも立派な長所・特技ですよね。そして、その長所につながる資格は、ビジネスシーンで求められる文書作成能力を測る「ビジネス文書検定」、立ち居振る舞いをはじめとするヒューマンスキル全般を問う「マナー検定」、パソコン利用のインストラクションスキルを証明する「マイクロソフト・オフィシャル・トレーナー(MOT)」、クライアントへの思いやりをもってセールスやクレームに対応できる力を示す「ホスピタリティ検定」…といった具合に、なんと、すべて存在するのです。もし、あなたが販売職一筋なら「販売士」、営業職を長く経験しているのなら「セールススキル検定」、秘書なら「秘書検定」、受付職なら「話しことば検定」など、あらゆる職場のあらゆる職種のスキルを証明する資格が、探せばほとんど存在しているのです。それは、法務や経理などの専門職でなくても、SEやDTPオペレーターなど特定のスキルが必要な仕事でなくてもです。

 これらの資格の存在は、「たとえどんな仕事であっても、臨む人の気持ちひとつでプロフェッショナルになれるのだ」ということを教えてくれているような気がします。「どれにしようかな」と挑戦する資格を選ぶとき、あなたの“棚卸し”はすでに始まっています。そして、自分を客観的に見つめ直す作業を終えたとき、履歴書に書ける資格がひとつ増えていたらステキだと思うのです。

 最近では、多くの資格スクールや資格の主催団体で夏期集中の資格講座を開講しています。興味を持った人は、ぜひ問い合わせてみてください。海外にもリゾートにも行かなかったけれど、なんだか充実した夏休みだったな。…そんな風に思える休暇もたまにはいいと思います。かく言うわたしも、今年の8月は、某資格の試験対策講座に、夏休みを費やす予定です。合格ラインギリギリなんだけど、結構楽しみなんですよ。

◆一般事務職に有効な資格

「ビジネス文書検定」
http://www.kentei.or.jp/hisho.kentei/business/index.html
主催団体:(財)実務技能検定協会ビジネス文書検定部
資格概要:受験資格は特になし。資格レベルは3~1級まで。学習期間の目安は6週間。試験は毎年7月、12月に開催。

「ホスピタリティ検定試験」
http://www.jhospi.or.jp/
主催団体:NPO法人日本ホスピタリティ協会
資格概要:受験資格は特になし。資格レベルは3~1級まで。学習期間の目安は約2カ月(3級)。試験は年2~3回開催。通信講座もあり。


◆販売職に有効な資格

「販売士検定」
http://www.kentei.org/index.php
主催団体:日本商工会議所
資格概要:受験資格は特になし。資格レベルは3~1級まで。2級は売り場主任レベル、1級は経営者クラス。学習期間の目安は3級で約4カ月。

「消費生活アドバイザー」
http://www.nissankyo.or.jp/
主催団体:(財)日本産業協会
資格概要:受験資格は特になし。学習期間の目安は約1年。通信講座もあり。取得者はメーカーのお客様相談室や行政の消費者センターに勤務する人が多い。


◆営業職に有効な資格

「セールススキル検定」
http://www.sales-coach.org/
主催団体:NPO法人セールスコーチング協会
資格概要:受験資格はとくにないが、2、1級の受験には実務経験を要する。資格レベルは3~1級まで。学習期間の目安は3級で1カ月~。

学び
資格趣味大学・大学院留学



Vol.1 人生をドラマチックに変える資格の魅力

■あなたの“今”の関心事につながる資格はかならずある!

 みなさん、こんにちわ。もの書きをしている阿部志穂です。三十路間近の○年前、「わたしの人生、このままでいいの!?」と突然目覚め、OLからフリーライターへの転身をした女子です。これからしばらくの間、ブログという形を借りて、みなさんのためになる情報をお届けしたいと思っています。どうぞよろしく!
 わたしがよく取材させてもらうのは、人生のある時期に大きな決断をして、今をイキイキと生きている女性たち。彼女たちのきっかけは、人との出会いだったり、昔から憧れていたおケイコを始めてみたことだったり、天からの啓示だったり(?)といろいろですが、そりゃぁみなさん、ドラマチックなプロフィールをお持ちです。検事や女優など、見るからに“ドラマ”な方もいましたが、実は、ごく普通の勤め人に見える人の中にも“ドラマ”を持つ人は意外にたくさんいるんですよ。誰の人生にも“ドラマ”の主役になれるチャンスは訪れる、と、わたしは思っています。

 さて、人生をドラマティックに変える要素のひとつに「資格」があります。ただ、みなさん「資格」というものに、少々誤解を持っているのかな、と思うフシがあるんです。「資格って、税理士とか弁護士とか、難しい仕事に就く人が目指すものでしょう? そんなアタマ持ってないもん、わたしには関係ない」とかね? ところが、今、世の中では、2000種類以上もの資格試験が実施されていると言われていて、よーく調べてみると、自分の好きなこと、興味のあることに関連する資格は、ほとんど存在するんです。たとえば、いわゆる“和”の世界に通じる資格にだって、茶道、華道各流派の師範や家元教授資格のほか(これも立派な資格です)、書道、香道、日本舞踊、琴(箏)、和装、和裁、陶芸、職人としての技能をはかる伝統工芸士などが。職人系の中には、鎌倉彫技能士なんて超ピンポイントな資格もあったりして、日本の伝統文化に興味がある人には「たまんないねぇ」という状況になっています。もし、「お花は好きだけど、和の世界じゃなくて」というのなら、フラワー装飾技能士、フラワーデコレーター、ディプロマ・オブ・ダッチフラワーアレンジメントなどなど、プロ志向から趣味のおさらい的資格まで、西洋バージョンも各種取り揃えられています。これだけでも、資格の認識がちょっと変わるでしょう?


■「合格」がもたらす、ちょっとした暮らしの変化をまずは楽しんでみて

 もし、あなたが「資格」に心を少しでも動かされているのなら、こんな風に、今、興味のあることにつながる資格を探してみることから始めてみてはいかがでしょう。たとえば、某人気モデルが取得したことで話題の「野菜のソムリエ(正式名称:ベジタブル&フルーツマイスター)」も、気になってしかたがないのなら、まずは資格講座を受講してみればいいと思います。3段階にランク分けされている資格のうち、初級レベルのジュニアなら、2時間の講義を7回受講するだけで受験資格が得られます。この段階で、すぐに転身、転職につなげるのは難しいかもしれませんが、食生活を見直そうと思ったり、スーパーで並んでいる食材の見方が変わったりして、暮らしがバージョンアップするはず。あなたが犬を飼っているのなら、ブームを受けて続々登場中のペット資格のひとつに白羽の矢を立ててみるのも手。ワンちゃんの病気やトラブルの対処法がわかり、ストレスを軽減する方法が3カ月~半年で学べる「ドッグ・セラピスト」資格を取得すれば、愛犬との生活がもっと充実したものになるでしょう。また、人付き合いのマメさに自負があるのなら「ラッピング・ディレクター」を目指してみては? プレゼントをより美しく演出するスキルが身につくこの資格なら、あなたの社交術に磨きがかかること間違いなし。なにより、相手の喜ぶ顔が倍増するのを見るのは、うれしいですよね。

 最初のチャレンジで訪れるのは、決して大きな変化ではないかもしれません。けれど、その変化が心地よければ、さらに上級資格を狙ってみてもいい。そうして夢中になって勉強した先に、きっと“ドラマ”は起こるのです。資格には、なにより「合格」というゴールがあります。努力や苦労が形になって認められるのは、誰にとってもうれしいもの。そのうれしさが、また次の目標に向かう原動力になることは間違いありません。このブログでは、そんな資格の魅力をさまざまな角度から伝えていきたいと思っています。次回もぜひ、お楽しみに!

◆ベジタブル&フルーツマイスター
http://www.vege-fru.com/
主催団体:日本ベジタブル&フルーツマイスター協会
資格概要:野菜と果物のおいしさや魅力を理解し、それを伝えることのできるスペシャリストのための資格試験。野菜や果物の種類や特性のほか、栄養、食べ方、盛りつけなど多角的な知識を身につける。資格ランクは「ジュニアマイスター」「マイスター」「シニアマイスター」の3段階。
受験資格:資格団体主催の養成講座修了者

◆ドッグ・セラピスト
http://www.raja.co.jp/
主催団体:日本リフレクソロジー協会(RAJA)
資格概要:犬の習性や生態を熟知し、病気やトラブルを未然に防ぐ方法や健康法に精通したスペシャリストのための資格試験。養成講座では犬の全身をマッサージしてストレスを軽減する「ワンちゃんリフレ」の技術を中心に、犬の自然治癒力を高めるホリスティック医学や行動学、解剖生理学の他、元気な体を作るためのフード、しつけ、関連法規などを学ぶ。通信講座もあり。
受験資格:資格団体主催の指定講座の修了者

◆ラッピング・ディレクター
http://www.nokko.co.jp/
主催団体:ジャパン・ラッピングディレクターズ協会認定校 ラッピングスクールNOKKO
資格概要:ラッピングの技能と知識を問うための資格で、ランクは3~1級までにわかれている。最終的にはラッピング技術の指導者を目指す人のために開設された資格で、1級合格者には主催団体認定の教室が開講できる。
受験資格:全国13箇所にある本部教室、認定教室で規定の講習を修了した者


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