SSブログ

Vol.5 資格の合格証書を「タダの紙切れ」にしない

■資格を活かす物理的資源「人」「情報」を確保しよう

 ここらでひとつ、自分にハッパをかける意味でも、打ち明けてしまいましょう。現在、ワタクシが取得を目指している資格、それは「キャリア・ディベロップメント・アドバイザー(CDA)」です。キャリアカウンセラーと一般に呼ばれている仕事に就く人たちのための資格で、現在、厚生労働省が肝いりで取得者を育成中。いくつかの団体が同じような資格を実施していますが、総じて「今が旬」と言っていいジャンルだと思います。

 わたしがCDAに白羽の矢を立てたのは、以前お話しした「新しい資格をいち早く」の法則に則った部分もあります。ファイナンシャル・プランナーなどが良い例ですが、注目株の資格は回を追うごとに受験者も増えるため、難易度もあがってきてしまうのです。前回はこの部分には触れませんでしたが、新しい資格を早いうちに取得しておくメリットは、注目度が高いうちに自分の足場を固めた方が得策という理由の他に、早めに挑戦しておいた方が比較的取得しやすいという現実的な理由もあるからなのです。

 ただ、わたしの場合、晴れて合格しても、CDA一本に仕事を絞っていくつもりはありません。では、なぜ受験することにしたのか? うーん、ちょっとあざといので告白するには勇気がいるのですが、実はわたしの目標は、合格後、資格の主催団体であるJCDAに所属することにあるのです。JCDAは、キャリアカウンセリングのプロフェッショナル集団。そこから入ってくる情報は、資格やキャリア情報を中心に執筆しているわたしにとって、とても有益なものだろうとにらんでいるのです。現場で活躍しているCDAとの交流で得られる生の情報、政府や各種団体からリアルタイムでJCDAに降りてくるキャリア関連の情報は、わたし一人がコツコツ取材をして集めてくる情報に比べて、恐らく、即時性もボリュームもはるかに勝っているはず。逆にそういう団体とつながりを持つことは、これから自分が新しい活動を展開したときに、より幅広くより早く広報しやすくなるという可能性も秘めています。

 つまりわたしは、資格そのものではなく、資格を取得した後に得られる人的、情報的資源を最初から狙っていたというわけなのです。

■スクールを活用すれば“始めの一歩”は踏み出せる

 今回、何が言いたいかというと、資格を活かすも殺すも、それは人と情報次第ということなのです。

 資格には、取得するだけで業務を独占的に行える権利が発生するものもあります。けれど、権利が発生したところでそれを執行する相手がいなければ仕事には結びつきません。そのためには、権利を執行する相手につながる人や情報に出会う必要だってあります。業務独占資格でなければなおのこと。せっかく取得した資格が紙切れのままで終わってしまう可能性は、さらに高くなってしまいます。けれど、その問題点を払拭するための可能性は、資格を取得するという行為そのものの中にすでにあるのです。

 今、資格を取得することで、新しいフィールドに飛び出そうと思っている人には、なるべくスクールや通信講座を利用することをオススメします。確かに、何万円もする受講料はイタい。難関資格に独学で合格した人のトピックを聞いたこともあるでしょう。けれど、スクールなどの教育機関は長い間培った受験のノウハウを持っていますから、特別な人の例を除けば、やはり合格への最短距離を示してくれることは間違いありません。それに、受講中に知り合うクラスメイトにはさまざまな職業、年齢、境遇の人がいるので、グッと視野が広がるはず。バッグボーンは違えど同じ目標をもって集まってくる受講生の中に身をおけば、その熱意におされて学習意欲が高まりますし、合格後は同士として、彼らが仕事上重要なブレーンになる可能性もあります。さらに、最近は通学制のスクールでも通信教育でも、就業サポートを充実させている講座がとても多い。このように、合格するまで、そして、そこから最初の一歩を踏み出すまでの人的、情報的資源は、教育機関に籍をおくだけで、たいがい得られるようになってきているのです。

 ただ、欲張りなわたしなどは、「スクールに行くだけでこんなにチャンス転がっていて、どうしよう、何から利用しようかな」なんて気色ばんでしまうのですが、実際には「スクールには通ったけれど、合格証書が届いただけでおしまいだった」と真顔で言う人も少なくありません。この違いはどこからくるのでしょう? やはり、取得した資格をどう活かすかというイメージが、できているかどうかではないでしょうか? その上で、人と情報が大切なのだとわかっていれば、必要な情報はおのずと飛び込んでくるものなのだと思います。資格を取得する過程で出会う、人、もの、情報は、いずれ必ずあなたを助けます。大切にしておいてソンはないですよ。

今回のまとめ

1:資格を活かすのに最も必要なのは、「自分はその資格をどのように使っていきたいか」という“想像力”である。

2:その想像を現実にするためには、“人”“情報”という資源を活用することが重要。それは、資格を取得する過程で十分に得ることが可能である。

3:スクールや通信教育は、試験に合格し仕事を始める第一歩までの資源はたいがい提供してくれる。ただし、与えられるのを待つだけでなく、自分がほしい情報を開示して取捨選択する必要がある。


阿部志穂

学び
資格趣味大学・大学院留学


2005-09-13 10:56  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(2) 
共通テーマ:学問・資格(旧テーマ)

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 

このブログの更新情報が届きます

すでにブログをお持ちの方は[こちら]


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。