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Vol.8 資格の栽培面積を広げて“好き”を仕事に!

■好奇心の数だけ栽培面積は広げられる

 さて、資格を育てる方法の2回目。今回は「作物の栽培面積を広げるがごとく、資格を育てていく方法」についてです。

 前回は、1本の木を高く、大きく育てることで収穫量を増やしていく方法をお話ししました。この育て方は、ある一定の仕事の中で専門性を高め、評価や収入を確実なものにしていきたい、という堅実タイプの人に向いているといえるでしょう。対して栽培面積を広げて資格を育てていく方法は、自分の好きなことや得意なことを活かして幅広いフィールドで活躍したいと思っている、どちらかというと好奇心旺盛タイプの人にオススメです。

 具体的な例で見てみましょう。

■複数の資格を“好き”や“得意”で1本につなげる

 小さい頃から自然が大好き。とにかく植物に触れていたくて、華道、フラワーアレンジメントなど、花に関するたくさんの習い事を続けていたIさん。それぞれの習い事でもお免状(資格)は持っていましたが、まだここまでは趣味の領域。仕事といっても、花をあしらう技術を主婦仲間に教える程度にとどまっていました。

 Iさんの資格は、ここに森林インストラクターという資格が加わったことで一気に育ちます。資格がカバーするフィールドの幅広さーー昆虫や小動物、生態系、エコロジーなどの知識に持ち前の好奇心を刺激され、合格率20%以下(一次試験)の難関に半年で合格。すると、この資格とこれまでの経歴に目をつけた団体から、森林にある木の実などを使ったネイチャークラフト教室を開講しないかという依頼が舞い込みました。地元の小中学校からも、社会人講師として自然体験や農業体験を教えてほしいとの声が。さらに、生徒や生徒の保護者からのクチコミで、植樹祭や自然観察会の運営も頼まれるようになり、“お花が好きないち主婦”だったIさんは“自然の専門家”として評価されるようになったのです。

 それまで鉢植えで育ていた植物が広い土地に植え替えられて、さらにのびのびと成長し始めた、といったところでしょうか。点で存在していた資格たちにもうひとつの資格が加わったことで、すべての資格が1本の線でつながったのです。もちろんここまでになった背景には、ひとつひとつの仕事に誠実に対応したIさんの努力があったはずです。けれどIさんは、仕事が広がったことで好奇心もますますふくらみ、本格的に種子の研究に取り組んで成果を学会で発表するなど、趣味の領域でも注目を集めています。

■資格の組み合わせ+発想力で資格の品種改良も

 花つながりでもうひとつ例を挙げましょう。

 多忙な業務に追われていた元OLのYさんは、花とふれあう時間が唯一のリラックスタイムでした。フラワーアレンジメントの資格を取得するなど、腕前もかなりもの。そして「こんなに自分を癒してくれるお花って、心とどんなつながりがあるんだろう」と興味を持ったところから人生が変わっていきます。

 花を使ったヒーリング、さらに色や香りといった分野にまで関心を広げ、Yさんは“花”をキーワードにした幅広いジャンルをカバーするプロフェッショナルへと成長しました。現在彼女が携わっている仕事は、フラワーアレンジメント講師や会場装花、カラー診断、アロマテラピーなど、資格を単体で活かすものから、花と香りのセラピーワークショップ、香りと色を組み合わせたイベントスペースの提案といった複数の資格を組み合わせたオリジナルのものまで、実に柔軟で垣根がありません。前出Iさんのように資格の栽培面積を広げたうえ、さらに資格の品種改良まで始めてしまったという感じです。

 このように、栽培面積を広げるタイプの資格の育て方は、自由な発想で取り組めることが魅力です。むしろこの発想力の自由度こそが、資格の栽培面積を決める重要な要素になると言えるかもしれません。植えかえをしたり品種改良をしたりと聞くとなんだか難しそうな気がしてしまいますが、この二人の例を見てもわかるように、ベースにあるのは“好き”だったり“好奇心”だったり。要は、育てる本人が楽しんで取り組めばいいのですから、さほど苦にはならないのではないでしょうか。

 二回にわたって資格の組み合わせ方や広げ方をお話ししてきましたが、いかがでしたか? 最近の就職市場では「とにかく資格名を羅列した」といった感じの履歴書が多いと聞きます。けれど、人事の担当者もクライアントも資格の数だけでは魅力を感じてはくれません。並んでいる資格にどんな意味があるのか、それらを自分なりにどう活かせるのか。それを語れる人こそが、周囲の評価とよりよい仕事を手に入れられるのです。そのためにもぜひ、自分にあった資格の育て方を見つけて実践してみてください。手塩にかけた資格を持つ人の言葉は、きっと説得力に溢れていることでしょう。


今回のまとめ

●1本の木(資格)を大きく育てる方法は堅実タイプ、栽培面積を広げてたくさんの木を育てる方法は好奇心旺盛タイプに向いている。

●自分なりの“好き”“得意”のキーワードを意識することで、一見バラバラに見える資格たちもひとつのフィールドで活かすことができる。

●栽培面積(資格を活かすフィールド)の広さは発想力の自由度に比例する。栽培面積が広がれば、植え替え、品種改良などをして、より自分らしい資格の活かし方を見つけることもできる。


阿部志穂

学び
資格趣味大学・大学院留学


2005-10-25 11:11  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
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