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Vol.18 学びで「幸せな人生」を実現するために

 みなさんこんにちわ。

 仕事や人生に役立つ資格やお稽古事についてお話ししてきたこのブログも、今回で最終回を迎えることになりました。そこで、まとめの意味も込めて、わたしが日常考えていることについてお話してみたいと思います。

■「自分らしさ」は自分を知らなければわからない

 わたしの元には、時々読者の方から質問が寄せられることがあります。これから挑戦したいと思っている資格やおケイコについて具体的な質問をされる方もいますが、「どうしたら自分にぴったりのおケイコや資格がみつかるの?」「たいして才能も持っていないから、自分が天職にめぐりあうのは無理?」といった内容のものが、実は一番多いのです。この質問に、あなたならどう答えますか? もしかすると、あなた自身がこんな迷いの中にいる人でしょうか。

 結論から言うと、自分にぴったりのおケイコや資格を見つけるのも、天職にめぐりあうのも、自分がどんな人間なのかを知らないと実現するのはかなり難しいと言えます。あなたは、自分自身をどこまで理解していますか? 今、気になっている仕事や資格、おケイコは「流行っているから」「社会的な評価が高いから」なんて理由で選んではいませんか?

 自分自身のことなのに、なぜか自分の本質はすぐにはわからないようにできているようです。まるで、それを知るために人生があるかのように。一時期、自分探しブームという現象が起こりましたが、たとえインドに一人旅に出かけても“自分”が見つかる可能性はとても低いと思います。なぜなら本当の自分というものは、外国ではなく自分自身の中にあるものだから。マンガの中の恋愛のように、ある日突然理想の彼氏(彼女)が現れて幸せな毎日が訪れる、なんて事件は、残念ながら資格やおケイコ、仕事の世界にもあまり起こりません。何度も失恋して傷ついて自分というものがわかりかけたときに、やっと理想の相手と巡り合えるように、天職や理想の暮らしを手に入れた多くの人も、失敗したり試行錯誤したりした末に夢を実現しています。つまり、自分自身を知るためには、“経験”をすることが不可欠だということです。

■少々失敗しても挑戦することをあきらめないで!

 ここで、ひとつ整理をしてみましょう。

 みなさんは、どうして自分にぴったりのおケイコや資格を探しているのでしょう? それは、よりすばらしい仕事や暮らしを実現して、幸せな人生を送りたいからですよね? ゴールは幸せな人生を送ること。おケイコや資格は、ゴールにたどり着くための一手段、ツールでしかないのです。

 ところが、資格やおケイコを探しているうちに、この手段とゴールを取り違えてしまう人がたくさんいます。「思い切って始めたのに、このおケイコ、あわなかったみたい」「勉強が大変で資格取得を断念してしまった」。そして「もう自分はダメなんだ~!!」という結論に達してしまう。…そんな風に深刻にならないでください。おケイコが自分にあわなかったのなら、それはあわなかったというだけのこと。試験勉強が続かなかったら、それはもっと自分にあう勉強法を探せばいいだけのこと。失敗したからすべてが終わり、なんてことはありません。それどころか「これは自分にはあわない」という事実がわかったことで、あなたは探している本当の自分に一歩近づいたのです。

 天職や理想の暮らしは、このような経験をひとつひとつ積み重ねた上に実現します。けれど、自分一人の力でこの作業を続けていては、ゴールがとても遠いものに感じられて辛くなってしまうこともあるでしょう。そんなときは、このブログを読み返してみてください。資格を使った人生の棚卸しのしかた、好きなことや得意なことを通じてフィールドを広げていく方法、おケイコの楽しみ方、すでに自分らしい人生を歩んでいる先輩たちの事例など、ここでは幸せな人生のゴールに少しでも早く近づくためのヒントをお伝えしてきました。みなさん一人ひとりがするべき経験を肩代わりすることは出来ませんが、役に立つ情報が少なからずあることでしょう。

 4月。新しい始まりの季節が近づいています。どうか、ステキなおケイコや資格を見つけて、よりあなたらしい幸せな人生を送る糧にしてください。長い間、ありがとうございました。

まとめ

・自分にぴったりの資格やおケイコは、試行錯誤の末に見つかるもの。一度の挑戦でめぐりあえなくても、あきらめずに挑戦を。

・失敗はひとつの貴重な経験。もし失敗してしまったら、どうして失敗したのか、なぜ、どんなところが自分に合わなかったのかなど、自分の内なる声をしっかり聞いて次のチャンスに役立てて。

・資格やおケイコは夢を実現するためのツール。自分にぴったりの資格やおケイコを見つけることは、よりよい仕事や暮らしを実現することにつながり、よい仕事や暮らしの実現は幸せな人生につながる。ゴールは「幸せになること」。そのことをいつも忘れないで。


阿部志穂

学び
資格趣味大学・大学院留学



Vol.17 おケイコで実現!人に感謝される仕事

 視点を“おケイコ”にまで広げたこのブログ。ここ数回は「おケイコを仕事につなげる」をテーマにしていますが、「いくら小さいことからはじめてOKと言われても、独立開業主になるには抵抗が…」という人も多いはず。そこで今回は、求人が多く安定性も高いといわれる業界で、これまで続けてきたおケイコや好きなこと、得意なことを活かして働くヒントを紹介したいと思います。

■一見、カタそう? 実は柔軟性の高い介護福祉業界

 ニーズが高くて将来性もあって、好きや得意が活かせる…そんな都合のいい仕事が果たしてあるのか?ですか? はい、あるんです。しかもその業界で働くと、人に喜ばれ、感謝されるといううれしいオマケもついてきます。それは、介護福祉の世界です。

 すでに社会の高齢化がすごい勢いで進んでいることは、どなたもご存じですよね? そのせいで、介護福祉の世界では慢性的な人手不足に陥っています。しかも、サービスを受ける人の数が飛躍的に伸びていることもあり、現場では実にさまざまなニーズが生まれてきているのです。一見、おカタく見える介護福祉業界は、実はとても柔軟性のある業界に変わりつつあるといえるでしょう。以下、好きなこと、得意なこと別に現場でのトピックを挙げてみましょう。

★コスメ大好き!美容に興味あり!
 今大人気なのが、高齢者や障害者専門の出張美容師さん。カットをしてもらうと患者さんの表情がとても明るくなるのだそうです。この仕事をするには美容師免許や美容師経験も必要となりそうですが、このトピックを応用して、高齢者向けのメイク教室を開いたり、出張でネイルケアをするなどの仕事を考えてみてはいかがでしょう? やはり女性はいくつになってもキレイでいたいもの。女心を刺激する美容の効果は侮れないと思います。

★癒しの世界が好き、肩もみ得意!
 アロマテラピー、リフレクソロジーなど、私たちも普段からお世話になることの多い癒しの世界。今、介護福祉との融合が最も進んでいるのもこのジャンルです。寝たきりで固まってしまっている身体の部位を優しくもみほぐしてあげると、患者さんは本当に喜んでくれるのだとか。施術によって伝わる肌への刺激が、脳を活性化させるなどの効果もあるようです。最近では定期的に施術者を招く医療福祉施設も増加中。プロ養成スクールには、介護医療や高齢者福祉について時間を割いて教えてくれるところも増えています。

★音楽好き、絵好き、もの作り大好き!
 芸術療法とは、患者さんにアートを観賞したり作ったりしてもらうことで症状の改善を促す療法。音楽、絵画、陶芸のほか、フラワーアレンジメントなどで応用するケースもあります。認知症の進行緩和に役立つことが知られ、特に高齢者福祉施設では芸術療法を採り入れるところが増加中。医学的、心理学的知識も必要ですが、大好きなアートを活かして長く働きたいなら注目してみたいジャンル。基礎レベルの知識なら、通信でも学べる講座が登場しています。

★自称・アウトドア派、スポーツ大好き!
 昨年、介護保険制度が見直された際に、介護状態にならないために運動や栄養面に気を配るサービスも採り入れていきましょうという「介護予防」の考え方が導入されました。この改訂に伴って、スポーツに携わる人の仕事の場が広がり「ユニバーサルスポーツコーディネーター」「介護予防運動指導員」など、具体的な資格も続々登場しています。「遊びなら任せて!」というアウトドアファンも、レクリエーションの提案などの分野で活躍できそうです。

★人に相談されるとすごくうれしい
 医療行為や介護だけでなく、患者さんの心理的ケアにも注目が集まる一方、人材不足によるハードワークから心身に不調を訴える従事者も増加中。介護福祉業界でカウンセラーが相手にするのは、患者さんだけではなくなっています。介護福祉には直接関係ありませんが、高齢化で定年後の“第二の人生”を模索する人が増える中、キャリアカウンセラーや生涯学習インストラクターなどのニーズも増加中。アドバイザー的な仕事は、今後この業界で不可欠な存在になっていきそうです。

★旅行なら、ワタシにまかせて!
 来年からドカンと定年を迎える団塊世代をターゲットにした、いわゆる「団塊ビジネス」にも多く見受けられる旅行関連サービス。これが介護福祉の分野でも注目を浴びています。例えば介護タクシーや外出をサポートするガイドヘルパーの存在。点字案内の充実や手話通訳者の採用増加など、障害者や高齢者に旅行を満喫してもらうためのサービスが非常に充実してきています。これらのスキルや資格にあなたが得意の観光知識を加えれば、相手に楽しんでもらえること間違いなし。特に有名観光都市ではこれらのサービスを専門にするNPO団体がたくさんありますし、旅行会社でも障害者、高齢者向けのツアーを組んでいるところが少なくありません。

■おさえておきたい「ホームヘルパー2級」

 いかがです? 実に多くの好き・得意を、介護福祉業界が受け止めてくれることがおわかりになったかと思います。しかも、介護福祉業界は人生経験が役立てられる業界とも言われていて、年齢を重ねることがマイナスになることはありません。もちろん前提として、人のお世話をするのが好き、人と関わるのが好きというホスピタリティ精神が求められますが、もしあなたが「ありがとう」と言われることに喜びを感じるタイプなのであれば、好きなことを仕事にする充実感と、仕事で認められる手応えの両方が手に入れられる、またとない活躍の場になることでしょう。

 ただし、この業界で仕事をするには、高齢者や障害者と関わるための最低限の知識(医療、介護、福祉、心理など)に通じている必要があります。そのために、できるだけ取得しておいてほしいのが「ホームヘルパー2級」資格。この資格は、在宅介護を受けている高齢者や障害者にたいして、日常生活のサポートを行う人のためのものですが、この業界で求められるベーシックな知識をバランスよく身につけることができる点でおすすめ。取得までの期間も1~3カ月程度です。取得後、まずはヘルパーとして働きながら、自分らしいサービスの提供方法を模索するという手もあると思います。

まとめ

・介護福祉の業界では新サービスが続々登場中。あなたのおケイコ歴、好きなこと、得意なことを活かせる場面がきっとある!

・介護福祉業界は“人生経験”も活かせる業界。好き、得意にさらにこれまでの職務経験もプラスすれば、幅広く活動しながら長く働き続けられる可能性も大。

・介護福祉業界で働く際は、医療、福祉、介護などのベーシックな知識を必ず身につけること。基礎知識がまんべんなく学べる「ホームヘルパー2級」はオススメ資格(※ただし、今秋資格改訂される可能性大。詳しくは下記をご覧ください)。

・「ホームヘルパー」資格は、各自治体が開催している講習会か通信講座を受講することで取得できます(1級取得には実務経験が必要)。

※ホームヘルパー資格の改訂について
介護職員のレベルアップや地位向上のために、早ければ今秋にも介護の仕事に携わる人の基本要件(持つべき最低限の資格)は介護福祉士資格になる予定です。資格移行期間中は「介護職員基礎研修」という500時間の研修を受ける必要がありそうですが、ホームヘルパー2級をもっていると、このうち150時間が免除される予定。さらに1年以上の実務経験を持つヘルパー2級保持者は、210時間免除。一概には言えませんが「できるだけ早く介護福祉業界で働きたい」と考えているなら、改訂前にホームヘルパー2級を取得しておく方法も有効だと思います。


阿部志穂

学び
資格趣味大学・大学院留学



Vol.16 こうしてはじめよう!おケイコでお仕事

 前回の続き、おケイコを仕事につなげる実践編です。

 趣味を収入にするのに一番トライしやすい方法は、作品を売る、もしくはその技術を人に教えることでしょう。最近は雑誌でも特集が頻繁に組まれるようになり、副業やちょっとしたおこづかい稼ぎとして趣味を仕事にすることが比較的容易になってきています。「何からはじめればいいのかわからない」という人も、ちょっと調べてみれば、ビックリするくらいその手段が増えてきていますよ。

■「売る」行為を通じてあなたのファンを増やそう

 まずはクラフトや雑貨、アクセサリーなどの作品を「売る」場合。今やリスクを冒して店舗を立ち上げる必要はありません。こんなにたくさんの場所やメディアがあなたの作品を待っています!

・ネットショップ
 一番手軽で、多くの人に作品を見てもらえる確立の高い方法です。必要なものは、ネット接続できる環境とパソコンにデジカメ、そして少々のホームページ作成の知識。HPを作るときはレイアウトや使い勝手に工夫を凝らして。リンクを増やしたりメルマガを発行するなどして、アクセス数を増やす工夫をすることが大切。特定商取引法(http://www.meti.go.jp/policy/consumer/contents1.html)に基づく事項の明記を忘れずに。

・ショップ提携
 お店やカフェ、ギャラリーなどと交渉して、作品を置いてもらう方法。カフェの一角で雑貨を販売したり、週替わりでアーティストの作品をおいてくれる雑貨店なども増えていますから、お店に自分の作品が商品として並ぶ光景は、夢ではなくなってきています。最近は、コンセプトにあう商品を一般に募って販売する「委託販売ショップ」も登場。販売ノウハウを持たない人にとっては心強い存在です。

・フリーマーケット
 リサイクル品販売のイメージが強いフリマですが、上手に活用して人気を博しているアーティストも増えています。いろんな人が訪れますから、多くの人に作品を見てもらえるチャンス。展示方法を工夫して、自ら販売を楽しみましょう。作品に興味を持ってくれた人と積極的にコミュニケーションすれば、ファンも現れるでしょう。

・イベント
 有名どころでは東京の「デザイン・フェスタ(http://www.designfesta.com/)」、名古屋の「クリエーターズマーケット(http://www.creatorsmarket.com/)」など。もとはアート系のイベントですが、参加資格は基本的に不問。新人作家、アーティスト発掘の場として、各業界の関心も高いイベントなので、一気にメジャー路線が狙えるかも!?

・レンタルボックス
 もの作り好きの間で近頃人気。大きさの決められたボックスを一定期間借りて、作品を展示・販売できるスペースです。ボックスレンタル料と売り上げの一部を手数料として支払いますが基本的には安価。ボックス内は自由にレイアウトできるので、作品と一緒にフライヤーや作品集なども添えておけば、幅広くアピールできます。

■ミセスにもはじめやすい「先生」のお仕事

 ある程度の知識やスキルを身につけて、友だちから「教えて!」と言われるようになったら教室をはじめる方法もあり。生徒という相手がいるので自己都合でレッスンをキャンセルするのはNGですが、それさえ守れば好きな時間を仕事にあてられます。「子どもが学校に行っている間だけ」など、ミセスにもトライしやすいでしょう。

・スクールで教える
 すでに存在しているスクールに「先生」として所属する方法。今、あなたが学んでいるスクールで講師の募集があれば名乗りを上げてみてもいいし、求人のあるスクールのオーディションに挑戦してみても。アシスタントからスタートすることも可能なので、しっかりした経験を積みたい人にうってつけ。

・認定教室をはじめる
 特定のスクールや団体の認定を受けて教室を開講する方法。受け持つクラス数やレッスン時間、場所などは基本的に自由に決められるうえ、母体のスクールや団体のノウハウが使えたり、バックアップが期待できるので安心してはじめられます。音楽教室や英会話教室のフランチャイズなどが代表的。

・出張講師として教える
「教えてほしい」という要望のある場所に、自ら赴いて教える方法。語学レッスンやマナー講習など身体ひとつでできるレッスンに向いていますが、クルマがあったりレッスンする場所にすでに道具類が準備されていれば、どんなジャンルでも実現可能。実績を積めば、講演会や企業研修などを請け負うこともできるかも。

・ショップ提携で教える
 飲食店の厨房を使ってお菓子のレッスン、雑貨店でそのお店の商品を材料に使ったクラフトのレッスン、カフェの一角でアロマテラピーやネイルなどのレッスン…。さまざまなジャンルの人気ショップが店内でレッスンを行っています。教える方は場所代がかからないし、ショップにとってはウリができる双方にうれしいシステム。

・自宅で
 広報宣伝の方法や材料などの調達ルートを自分で決めなければいけない面もあるけれど、規模もレッスン数も時間も自由に決められる、手軽なお教室の開講方法。まずはお友だちや知り合いを中心にはじめてみて。事前に家族の了承を得ることが一番大切です。

■なにはなくともまずパソコン!

 スクールで講師として働くケースなどを除けば、趣味のおケイコから発展させた仕事は個人事業主として行うことが多いもの。そこで、あなたを強力にサポートしてくれるのがパソコンです。人を雇う余裕がなくてもスタッフ数人分の働きをしてくれますから、仕事を始める際は入手しておくことをオススメします。たとえばパソコンが1台あれば、こんなコトもできちゃいます。

・名刺、DM、フライヤーなど広報グッズの作成
・テキスト、作品集などの作成
・ホームページ作成、メルマガ発行、メーリングリストの運営
・顧客管理、売り上げ管理
・メールやFAXの送受信、情報収集

 いかがでしょう? これだけの方法があれば、なんだか自分にもできそうな気がしてきませんか?

 大切なのはまず、はじめの一歩を踏み出すこと。あとはひとつひとつの仕事にていねいに対応していけば、少しずつでも規模は大きくなっていくはずです。好きを仕事にすることに憧れている人は、ぜひ挑戦してみて下さいね。

まとめ

・作品の販売を仕事にしたいときは、まずは自分の作品をできるだけ多くの人に知ってもらうことからスタート。メーカーや企画会社への売り込みのほか、イベント参加、ネットショップの立ち上げなどを積極的に行ってファンを獲得することも大切。

・教えることを仕事にするなら、生活パターンを考慮しながら、どんなスタイルで教えるのがベストかを検討して。生徒募集、カリキュラムの作成、材料の調達など、レッスン以外にもやらなければいけないことが案外多いので事前準備をしっかりと。

・一人で仕事を始めるなら、パソコンは入手した方がベター。メールのやりとり以外にも、情報収集、売り上げ管理、広報宣伝、グッズ作成など、一台でスタッフ数人分の活躍をしてくれます。

・事前に必ずチェックしておきたいのが関連法規。副業としてはじめるなら在籍している会社・組織の「就業規則」を熟読! ネットショップを開くなら「特定商取引法」に基づく記載事項を必ず明記。食品を取り扱う仕事なら「食品衛生責任者」を取得しておく必要があるケースもありますし、リフォーム品やアンティークを扱うなら「古物商」資格が必要な場合も。また、仕事を始めると多くの個人情報が集まってきます。「個人情報保護法」に基づき、情報の取り扱いには細心の注意を払って下さい。


阿部志穂

学び
資格趣味大学・大学院留学



Vol.15 おケイコを仕事にしてみよう!

 注目されるのは発表会や作品展がせいぜいで、どんなに大好きでもしょせんは趣味止まり…。お花やピアノ、アクセサリー作りなど、ビジネス直結型ではない習い事について、ちょっと前まではみんながそう思っていました。ところが、女性の社会進出や働き方の多様化など、さまざまな追い風を受けて、趣味を仕事につなげる人がとても増えてきているのです。では、その人たちは、どんな方法で趣味やおケイコを仕事につなげているのでしょう?

■作品の販売から教室開講へ

 サキコさんは、つい最近、勤めていたメーカーを退職し、ビーズアクセサリー作りで生計を立てていくことを決めました。

 もともと手先が器用だった彼女は、ビーズをはじめた途端、のめり込んでしまったとか。現在は、作品の販売、教室講師、専門誌での執筆など忙しい毎日を送っています。サキコさんがおケイコを仕事にするまでのストーリーはこんな感じです。

・身につけていた作品に友だちが反応。「ほしい!」といわれて、材料費+α程度の金額で販売をはじめる。

・クチコミでサキコさんの作品を知ったヘアサロンのオーナーが、作品を卸してほしいと依頼。本格的に販売が始まる。

・作品を購入したお客さんから「作り方を教えて」とリクエストが相次ぎ、自宅で不定期に教室を開講。ネットショップをオープンし、ホームページ上でも作品販売を開始。

・生徒数が増加したため、行きつけのビーズショップに相談。講師資格が取れるスクールを教えてもらい通学。半年で資格取得後、週末自宅で教室を定期開催することに。

・コンクールに入選したことで、ビーズショップからも講師の依頼。ビーズ専門誌でレシピコラムの連載も持つことに。自宅での生徒数も増え、レッスンを増設するタイミングで会社を退職。

 こう書くとトントン拍子に見えますが、実際には丸3年かかっている道のりです。また、「これは仕事になるかも」と思ってから、サキコさんはコンクールへの出展、ネットショップの立ち上げ、講師資格の取得など、新たな挑戦を次々に行っています。ラッキーなだけではないんですね。「段階を経て独立して良かったことは、売り上げ管理や売り込み方法など、仕事に必要なスキルを少しずつ勉強できたこと。いきなりフリーになっていたら失敗していたと思います」とサキコさん。独立した今も、新たな作風や技術の研究に余念がありません。

■パソコンがあれば、ひとりでもミュージシャン

 本業を辞めずに好きな音楽を副業として続けてきたのは、派遣のDTPオペレータ・ヒロコさん。「本当に好きなことは、仕事にしない方がいいっていうから、音楽は副業として取っておいてるんです」とは言うモノの、その副業にあてるパワーは並大抵ではありません。現在のヒロコさんの活動内容はザッとこんな感じ。

・平日夜   …作曲、レコーディング
・週末    …結婚式場で仕事、ライブハウス、バーで演奏
・毎日24時間…CDの販売

 高校時代からボーカルスクールに通い、歌うことが何より好きなヒロコさんの楽しみは、やはりステージで歌うこと。ライブハウスやバーは定期出演の契約を交わしているため、アマチュアバンドのライブのように、お客さんを集めなくても収入になるのがミソ。結婚式場での仕事は、友だちの結婚式で歌う彼女の姿を目にしたブライダル会社のスタッフから持ちかけられたもの。不定期ながら春、秋のブライダルシーズンは、かなりの収入になるそうです。

 楽器を扱わないヒロコさんが、ひとりで音楽活動を続けていけるのは、なにはなくともパソコンのお陰。今やパソコン1台あれば、作曲はもちろん、レコーディング、CDの作成、生産、販売など、ミュージシャン活動のすべてがひとりでできるのです。ヒロコさんの場合、ライブのチケットやチラシはDTPのスキルを活かせば簡単に作るコトができますし、自分で作ったホームページは、日中、仕事をしている間もせっせとCDを販売してくれます。HPでヒロコさんの歌を試聴してファンになったという人が、はるばる九州などの遠方からライブに駆けつけてくれるのも、距離を問題としないインターネットが普及したたまものです。

 おケイコを仕事につなげるとき、パソコンはこんな風にかなり有効活用できるアイテムのようです。

■チャンスが来たらまずはじめてみよう

 サキコさんとヒロコさんの例は、ちょっとパワフルかな、という感じがしますが、ほかにも、お料理が大好きで、週末に行われるイベントに自作料理のケータリングを行っているワカナさん、友だちとゴスペルグループを組んで、ブライダルシーズンにホテルの宴会場でアルバイトをしているユキエさん、同じくホテルと契約して結婚式のブーケ&ブートニアを専門に作っている主婦のマイコさん(“ブライダル”には仕事の芽がたくさんありそうですね)、保育園のママ友だちの自宅でネイルアートとカラーリングの出張を行っているシノブさんなど、おケイコを仕事につなげるきっかけをつかんでいる人は本当にたくさんいるんです。そして、きっかけをつかんだ多くの人が、はじめの一歩から2~3年を経て、おこづかい稼ぎ程度だったレベルを本格的な仕事レベルにまで高めています。

 まずはきっかけをつかむこと。その時は、躊躇しないでとにかく何かやってみる。そして動き始めたら、プロ意識を持って前向きに続けていくこと。それが、おケイコを仕事につなげた人たちの共通項のよう。今、夢中になっていることがある人は、あきらめないで小さなコトからスタートしてみてはいかが?

まとめ
おケイコを仕事につなげるヒントあれこれ

・イベント参加…ライブイベントやフリーマーケットなどに参加して作品を売ったり、パフォーマンスすることで収入を得る。多くの人が集まるので、実力が図れるし顧客も獲得できる。

・出張    …お客さんの自宅や指定場所に赴いて仕事をする。アロマセラピー、ネイルなど癒しや美容系スキルのほか、マナー、カラー、パソコンなど各種講師などにも向いている。

・自宅教室  …お料理、クラフト、音楽など、幅広いジャンルで実現できる方法。まずは友だちや知り合いを中心に「教えて!」と言われるようになったらはじめ時。

・ショップ提携 …近隣の商店やお気に入りのショップなどに作品を持ち込んで卸させてもらう方法。いわゆる一般的な営業に近い。ショップの一角を借りてレッスンや施術をする手もある。

・ネット販売  …自分のホームページやネット上のショッピングモールなどで作品の販売を行う方法。手軽にはじめられて、全国に顧客が持てるのが最大の強み。

・ブライダル  …とくにハイシーズンは週末副業にぴったりの場。フラワー、お菓子、音楽、写真といった定番アイテムのほか、手作りの引き出物の提供や案内状の筆耕、アロマで香りの演出など、仕事につなげられるヒントはたくさんある。


阿部志穂

学び
資格趣味大学・大学院留学



Vol.14 必見!06年資格検定カレンダー

■今年はあなたも「資格ホルダー」に!

 みなさんこんにちわ。06年に入って2回目の更新です。正月気分もだいぶ薄れて来ましたが、1月はやはり新しいことを始めるのにうってつけの季節。今回はこの時期ならではの特別企画として、今からはじめて今年中に取得が目指せる資格を紹介していきたいと思います。

 現在実施されている資格はとても数が多いため、すべてを網羅するのは無理なのですが、就職市場で人気の高い資格を中心にピックアップしましたので、ぜひ参考にしてくださいね。

■今からはじめて4月には取得が目指せる資格

 今から3カ月程度で取得できる資格は、比較的平易で、独学で取得できるものが多数。インターネット上で随時受験が可能など、試験のお手軽感も魅力。早くはじめるほど合格証が手元に届くのも早くなります。

<P検(パソコン検定試験)>http://www.pken.com/
入門から上級レベルまでIT全般の知識を網羅できるパソコンのベーシック資格。標準取得期間2カ月(3級)。
・1月:対策テキストで学習開始→3月受験:随時実施

<証券外務員二種>http://www.jsda.or.jp/html/oshirase/open/
証券売買の仕事に必須のライセンス。派遣業界でも資格保持者のニーズが上昇中。標準学習期間2カ月。
・1月:試験団体発行のテキストで学習開始→3月受験:随時実施

<ホームヘルパー>
高齢者や身体障害者の日常生活をサポート。指定の講習を終了すれば資格認定。標準学習期間3カ月(2級)。詳細は各都道府県の担当窓口へ
・1月:自治体等主催の養成講習を受講→3月:講習終了→認定

<ベジタブル&フルーツマイスター>http://www.vege-fru.com/
話題の「野菜のソムリエ」。ジュニアマイスターは養成講座修了試験合格で認定。標準学習期間2カ月。
・1月:養成コースに入学(随時)→3月:修了試験

■今からはじめて7月には取得が目指せる資格

 学習期間が4~6カ月の資格は、年に複数回試験が実施されるものがほとんど。直近の試験日を選ぶならスクールの速習講座、年内の取得が目標なら通信でマイペースになど、学習手段の使い分けをするのが吉。

<日商簿記検定>http://www.kentei.org/
会計知識や経理実務能力を測る定番資格。ここでは最近多い2,3級の同時取得を目指すコースで学習した場合を想定。
・2月:スクールで学習開始→4月申込→5月:直前対策講座→6月12日試験

<ファイナンシャル・プランナー>http://www.jafp.or.jp/
生涯を通したマネープランのアドバイザー。標準学習期間6カ月(普通資格のAFPの場合)。
・1月:通信かスクールで学習開始→4月7日申込〆→5月28日試験

<TOEIC(R)テスト>http://www.toeic.or.jp/
英語でのコミュニケーション能力を測る世界共通の試験。標準学習期間は500点突破を目指す場合で4カ月。
・1月:テキストで学習開始→4月19日申込〆→5月28日試験

<アロマコーディネーター>http://www.jaa-aroma.or.jp/
日本アロマコーディネーター協会が認定。医学的理論に基づいたアロマの知識を問う。標準学習期間4カ月。
・2月:通信かスクールの指定講座に入学→5月12日申込〆→6月11日試験

<色彩検定>http://www.aft.or.jp/
色に関する知識を問う試験。カラーアナリストのほか、建築、ファッションなどで広く応用可能。標準学習期間4カ月(2級)。
・2月:テキストで学習開始→5月11日申込〆→6月25日試験

■今からはじめて12月には取得が目指せる資格

 しっかりした学習計画を立てることはもちろん、長期間、仕事や学校と両立できる学習環境を維持する工夫も必要になってきます。学習に時間がかかる分難易度も高く、一般にはスクールで学ぶのが近道といわれる資格たちです。

<ビジネス実務法務検定試験(R)>http://www.kentei.org/
注目のビジネスコンプライアンスの基本となる資格。独禁法、PL方、労働法などが中心。標準学習期間3カ月(3級)。
・3月:通信や主催団体の対策セミナーで学習開始→5月20日申込〆→7月3日試験

<宅建(宅地建物取引主任者)>http://www.retio.or.jp/index.html
不動産売買を公正に行うための知識を問う不動産業界では必須の資格。金融業界でも活用可能。標準学習期間6カ月
・3月:通信かスクールで学習開始→7月申込〆→10月21日試験

<フラワーデコレーター>http://www.fda-jp.com/
フラワーデコレーター協会(FDA)が認定。指定校で学んだ人に受験資格が発生する。標準学習期間6カ月(2級)。
・2月:スクールの指定講座に入学→9月申込〆→10月試験

<福祉住環境コーディネーター検定試験(R)>http://www.kentei.org/
高齢者や障害者が利用しやすい住まいや施設作りを提案するアドバイザー。標準学習期間6カ月(2級)。
・2月:通信やテキストで学習開始→5月27日申込〆→7月10日試験

<消費生活アドバイザー>http://www.nissankyo.or.jp/
衣食住の幅広い商品知識を元に企業や行政と消費者の橋渡し役をするアドバイザー。標準学習期間8カ月。
・4月:通信で学習スタート→8月;スクーリング→8月31日申込〆→10月上旬1次試験→11月下旬2次試験

<社会保険労務士>http://www.sharosi-siken.or.jp/
労務や保険、年金などの法律に基づく書類の作成・提出代行を行うための国家資格。標準学習期間1年とされているが、スクールや通信では最短6~8カ月講座も登場している。
・1月:通信かスクールで学習開始→5月末日申込〆→7月:直前対策講座→8月試験

<行政書士>http://gyosei-shiken.or.jp/
行政に提出するあらゆる書類の作成・提出代行を行うための国家資格。スクールや通信で学ぶのが近道。標準学習期間8カ月。
・2月:通信かスクールで学習開始→7月:過去問題演習→9月:直前対策講座→9月末申込〆→11月12日試験

※受験までの期間はあくまで最短の場合の目安で、人により異なります。
※詳しい試験日、申込締め切り日が未定の試験については、各資格団体に直接お問い合わせください。国家資格に関しては、4月発行の官報に公示されます。

まとめ
※ここでは、受験までの段取りのポイントを解説します。

●まずは、試験日を確認。今の実力と照らし合わせて、どの試験を目標にするのが妥当かだいたいの見当をつけて。とくに年数回試験が実施されている試験では、見極めが大切。

●資格がどのような形で認定されるのかも要チェック。試験に合格すれば認定されるもの、講習会の受講で認定されるもの、合格後、指定の団体に登録しないと認定されないものなど、いくつか種類があるので注意。

●学習をはじめる時期は、実は早すぎてもモチベーション維持が難しくなるなどマイナスになる面も。性格にも寄りますが、計画性重視タイプなら、試験前にもう一度復習ができるぐらいのタイミング、勢い重視タイプなら、「ちょっと頑張れば間に合いそう」ぐらいのタイミングで逆算するのがベター。


阿部志穂

学び
資格趣味大学・大学院留学



Vol.13 あなたの“世界”を変える海外のおケイコ

 あけましておめでとうございます(ちょいと遅いですが…)。

 今回からこのブログも「資格」から「おケイコ」全般にまで視野を広げてみたいと思います。まぁ、新年を迎えて心も新たに…といったところでしょうか。資格に関する疑問・質問も引き続きお待ちしていますので、どんどんメールを送ってくださいね。

■海外おケイコ、かなりレアものも揃っています!

 1月といえば、やはり新しいコトの始め時。年頭にたてた「今年こそ」の誓いが怪しくなる前に、さっそく行動に移してしまいましょう。資格取得の勉強に限らず、新しいお稽古事を始めることも、夢を早く確実に実現するために有効な方法です。

 「今年こそ自分を変えたい」「夢中になれることを見つけたい」、けれど「具体的に何をしたら…」と少々困り気味のあなたに、とりあえずオススメなのは海外のおケイコ。さまざまなレッスンが開講されている今の日本では、そうとうレアな国のおケイコも探せば習える環境にあります。ブラジルのカポエイラダンス、アルゼンチンのアルパハープ、オーストラリア原住民の楽器ディジュリドゥなんて、中身はよくわからなくてもなんだか好奇心をそそられますよね。これらのおケイコ、現在すべてレッスンが行われています。スタートはそんなところからでOK。「おもしろそう!」と思ったときに行動を起こすかどうかで、あなたの1年が変わってきますよ。

■サッカーファン転じてドイツ通に

 自分を変えるための海外のおケイコ、即効性が高いのは言語、料理、音楽、ダンスなど、その国の文化に密着しているアイテムです。

 サッカーの熱狂的なファンのよしみさん。前回開催のW杯日韓大会の興奮がさめやらぬ中、多くのボランティアが会場で活躍していたことに目を付けました。次回ドイツ大会では「自分もその一員として、もっと選手に近いところで大会の雰囲気を感じたい」と、まったく知識のないところからドイツ語の勉強を始めました。目標はもちろん、ドイツ大会でのボランティア採用です。好きこそものの上手なれ。週2回、欠かさず語学学校に通い続けたことで、よしみさんの語学力は3年間で相当なものに。レベルが上がるにつれてドイツの文化にも興味が広がり、ドイツ料理専門店でアルバイトの職を得ることに成功しました。たまたまその店のドイツ人シェフが、サッカーファンだったこともあって意気投合。シェフと日本人スタッフの通訳担当としても重宝されたよしみさんは、店のスタッフからも店に通う常連のドイツ人からも慕われ、一気に交友関係が拡大。もともとのサポーター仲間とドイツ人の友人たちもよしみさんを介して交流を始め、彼女はさしずめ小さな国際親善大使といった役回りに。制度上の問題もあり、ドイツ大会でのボランティア活動は実現が難しそうな気配なのですが、すでに仲間たちと大観戦ツアーを組むことが決定。「ドイツも日本も応援できるなんて楽しみ!」と、今から来年に向けて胸を躍らせています。

■“スペインかぶれ”は私の勲章!

 「絶対やせるから!」という友だちの誘い文句でフラメンコを始めたあきこさんも、ワールドワイドな生活を楽しんでいる一人。最初はステップひとつ覚えるのにも苦労していましたが、バール(スペイン風の居酒屋)で行われた初めての発表会に出演してから、フラメンコ漬けを通り越してスペイン漬けの毎日に。まずはスペイン旅行を決行。現地の人たちとコミュニケーションできなかった悔しさをバネに、スペイン語教室へ通い始めました。その後、学んではスペインに渡航し、新たな課題を見つけて帰国してはまた学び直して渡航し…を繰り返すこと2年間で3回。その間、上達したのはスペイン語だけではありません。フラメンコを踊る姿にも磨きがかかり、発表会でメインダンサーの一人に選ばれるまでに。渡航の相談に何度も赴いたスペイン大使館のスタッフとも仲良くなり、なんと大使館主催のパーティに呼ばれるといううれしいハプニングも。そんな明子さんのお宅で出された料理は、パエリアにピンチョス。キッチンに立つときだってついステップを踏んでしまう踊り子ぶり。フラメンコを始めてから親交を深めた教室の仲間(明子さんに負けないくらいのフラメンコファン)や都内のバールを渡り歩くうちに知り合った在日スペイン人の友人もひっきりなしに部屋を訪れて、フラメンコ談義に花を咲かせます。ダンスからスタートしたことで、語学、料理、音楽と生活のフィールドが広がり、交流の輪も広がった明子さん。「かぶれてるって言われてもいいんです。本当にかぶれてますから(笑)。趣味はスペイン、第二の故郷もスペイン!」。そう言い切れる暮らしは本当にうらやましいと思うのですが、彼女だってもとは「夢中になれることを探して、三日坊主のおケイコを何度も繰り返したタイプ」だったんですよ。

 こんな風に、ひとつの“海外ものおケイコ”にハマったことをきっかけに、生活や交友関係が劇的に変わり、それを楽しんでいる人が増えています。

 「セクシーな衣装が着てみたいからエジプシャンダンス」「韓国スターにファンレターを書きたいからハングル文字」「ワインが大好きだからフランス料理」「象に乗ってみたいからタイ語?」…。きっかけはどんなことでもいいと思います。夢中になっているうちに、その国の文化全般がいつの間にか身についてしまうのが海外おケイコの魔力。そこにネイティブの友人ができてコミュニケーションの楽しさも加わったら、逃れることはできません(笑)。ミーハー全開大いに結構。まずは、好きな国のおケイコをひとつ、始めるところから06年をスタートしてみませんか?

まとめ

●資格取得と同じくらい、おケイコを始めることは人生に変化をもたらしてくれるキーアイテム。「おケイコなんて小学校のピアノ以来」という人も、興味があることを気軽に始めてみよう。

●何から始めていいか迷ったら、好きな国のおケイコをひとつチョイス。とくにダンス、音楽、料理、語学などはレッスンを通じてその国出身の在日外国人と交友関係を築ける可能性が高く、「暮らしが変わった」実感値を得やすい速攻アイテム。

●レッスンを行っている教室が探せないときは、各国の文化交流センターや大使館などにも問い合わせを。在日外国人が個人で開講しているレアなレッスン情報、おケイコのきっかけになりそうな交流イベント情報などが手に入れられる可能性大。


阿部志穂

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Vol.12 どうやって取得する!?資格の学習方法を検証

このブログもすでに12回目。半年にわたっていろいろな資格の話をしてきましたが、あなたの役に立つ情報はありましたか? 今年の更新もこれで最後と言うことで、今回は今まであまり触れてこなかった「資格を取得するための学習方法」についてお話ししたいと思います。

■コストはかからないけれど「独学」は自分との戦い!

 まずは「独学」。自分で参考書や過去問題集などを購入して、コツコツ学ぶ方法です。

 最大のメリットは、なんといってもコストが最小限に抑えられること。書籍の購入費と受験料をあわせても、トータルで3万円以上になることはまずありません。とはいえ、立ちはだかるカベが多いこともまた事実。まず、独りでモチベーションを維持しつつ学習ペースをキープしなければいけないという環境は、試験の難易度が上がるほど辛いものになっていく可能性が大。わからないことが誰にも聞けない、学習のツボがわからないなどスランプに陥ったら最後、そこから抜け出せずに断念…、という危険性もはらんでいる学習法です。あえて独学を選ぶなら、ねばり強さや計画性を持っているか、「何がなんでもこの資格を取る!」という固い意志があるかなどのセルフチェックを。

 ただ、独学の向き不向きは資格によっても変わってきます。たとえば、資格のガイド本に「標準取得期間1~3カ月」と書かれている比較的平易な資格、広く知られているものを例にあげると、簿記4級、FP技能士3級、英検3級程度のものなら、参考書を中心に学習するだけでも充分取得は可能。また、漢字検定、歴史・地理検定などの生涯学習的な資格の場合は、独りでも楽しみながら学べると思います。

 次に、資格を主催する団体が行う講習会に参加する方法。試験の主催団体や資格保持者が登録している団体が、受験セミナーを開いてくれる資格も多いもの。2,3日から10回程度までの短期のものが多く、学習のポイントや直近に行われる試験の出題傾向を教えてくれるなど、お役だち度も高い。独学派の人は、この講習会を大いに利用してみましょう。

 また資格によっては、受験資格を得るために講習会への参加を義務づけていたり、講習会の最後に行うテストに合格すれば、即資格認定としているものもありますので、取りたい資格が決まった時点で、講習会の内容は必ず確認をしておきましょう。

■選び方がカギ。本気度が高い人はやはり「スクール」。

 ビジネスに役立つ法律や会計系の資格、ITなどの技術系資格、人と関わるコンサルティング系、癒し系、医療・福祉系…、あげればきりがありませんが、いずれにしても就・転職で威力を発揮する資格を取得したいのなら、結果的に最も効率的で確実な方法は、スクールに通うことだと私は思います。

 高いです。確かに、参考書1冊1500円で済む独学に比べたら、かかる金額が100倍以上になってしまうことも珍しくありません。けれど、それだけの価値がスクールにはあると思います。なんといってもスクールの大命題は「合格させること」。資格試験については、本当によく研究しています。その道の専門家である講師陣の講義がためになることはもちろん、ノウハウを結集させたテキストや教材も、サブノートなどを用意する必要がないほどに考え抜かれて作られています。さらにスクールには、合格保証制度(一定の出席日数、模試での点数がキープできれば、合格するまで何度も講義が受けられるなどのシステム)や就職サポートなど、さまざまなサービスも用意されているので、受講中から合格後まで、不安を感じる瞬間がほとんどないと言っても過言ではないでしょう(合格できるかどうかという話は別として)。独学の場合と比べてみてください、かかる時間的、精神的な負担がどれだけ少なくて済むか、一目瞭然だと思います。

 スクールで学ぶ最大の懸念は、「よいスクール、自分にあったスクールはどうやって選んだらいいか」でしょう。仕事柄、こういった質問をよく受けるのですが、スクール選びを成功させるには、直接スクールに行くしかないと私は考えます。できるだけたくさんのスクールのパンフレットを請求して、「これぞ」と思うスクールには必ず足を運んでみる。すると、パンフレットに書いてあることと違っている点、パンフレットでは気づかなかった意外な点など、たくさんの発見があるはずです。スクールの見学に行ったら、まずは雰囲気、生徒のタイプ、施設・設備の充実度をチェック。さらに、実際に授業を見学させてもらったり、コース選択のカウンセリングまで受ければかなりの判断材料になるでしょう。講義の進め方、スクールの雰囲気が自分に合っているか、学習するのに充分な環境か、スタッフは親身になってくれているかなどがわかれば、安心して入学することができると思います。ここを怠ると必ず後悔することになりますから、比較と検討はしっかり行いましょう。

■すべての学習方法のいいところどり!注目したい「通信」

 最後に紹介するのは、通信教育という方法です。「大学」の回でも触れましたが、通信で学ぶという方法は、個人的にもとても注目している学習法。インターネット環境が整備されてきたお陰で、今、通信教育は目を見張るばかりの進歩を遂げています。

 例えば、資格スクール大手のLEC東京リーガルマインド(http://www.lec-jp.com/)のホームページを見てみましょう。通信講座の欄をクリックすると、実に多彩な学習方法が提案されています。テキストを中心に学習する従来のスタイルは影を潜め、カセット、ビデオ、DVD、WebさらにはiPodといったメディアを使った学習法がズラリと並び、好みで選べるようになっています。

 これらのメリットは、自宅にいながら、好きな時間に、スクールと同等の講義を受講することができるということ。しかも、わからないところは何度でも繰り返し聞いたり見たりすることができますし、それでも解決しない問題はメールや電話、FAXで質問することだってできるのです。受講料も、通学制クラスに比べれば割安の設定になっているところがほとんど。独学の良さを実感しながらそのマイナス面も払拭できる、時間的制約も、経済的な問題も緩和してくれる通信教育という方法。テキストと添削指導のみの学習なら少々不安が残りますが、今の進化したシステムなら、私は間違いなく通信講座の受講を選ぶと思います。

 ビジネス資格以外にも、フラワーアレンジメントやリフレクソロジー、ネイル、エステティックなど、スキルの修得を必要とする資格についても通信講座が次々と登場しています。通信とスクーリングを組み合わせたり、課題制作のための材料一式が定期的に届くなど、本当によく工夫されているなと感心してしまう講座がこちらも多数。近くにスクールがない、忙しくて時間がない、けれど真剣に転身したいと考えている人にとって、通信教育は無視できない存在になりつつあると言えるでしょう。

 自分にぴったりの学習方法は見つかりそうですか? 実は大手資格スクールでは、1月から新規講座を一斉に開講するところがほとんどです。どの方法を選ぶにしろ、あなたの「来年こそ」を実現するには、この時期から検討を始めるのが良策といえるでしょう。

 来年もまた、あなたにとって素晴らしい1年になりますように。

まとめ

各学習法のメリットとデメリットをまとめてみました。

■独学

メリット …コストがかからない。
      自分のペースで学習が進められる。

デメリット…モチベーション維持が難しい。
      不安、疑問点を解決しにくい。
      学習のコツをつかむのに時間がかかる。

解決方法 →資格団体主催のセミナーに参加するなどして、
      受験情報と学習のコツを体得する。
      仲間をつくって一緒に勉強する。
      資格取得者の話を聞くなど。

■スクール

メリット …受験のノウハウを蓄積したテキストと講義で効率的に学べる。
      クラスメートから刺激を受けられる。
      さまざまなサポートが用意されている。

デメリット…10万円単位のコストがかかる。
      自分のペースで学習しにくい。

解決方法 →ローンや分割などを利用する。
      振り替え制度など忙しくて欠席した際の
      フォローシステムがあるスクールを選ぶなど。

■通信教育

メリット …好きなときに、好きな場所で、自分のペースで学べる。
      効率的に学べるよう編集されたテキストや教材で学習できる。
      質問制度などのシステムで独学の不安が払拭できる。

デメリット…クラスメートや講師のコネクションなどの人脈ができにくい。
      生の講義に比べると情報量が不足する。

解決方法 →ホームページ上で受講生同士で交流できる
      コミュニティなどがある講座を選ぶ。
      スクーリングも併用できる講座を選ぶ。
      Web上でリアルタイム受講できる講座を選ぶなど。


阿部志穂

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Vol.11 「自分のため」に活かす資格

■暮らしの中でどう活かすか、という着眼点

 ちょっと原点に立ち返って、資格の選び方について考えてみましょうか。

 「資格に興味はあるけれど、どの資格を取ったらいいのかわからない」。そう思っている人は「自分のために活かすとしたら…?」という視点で資格選びをするのもアリかな、と思うのです。「うんうん、わかる。キャリアアップとか独立開業とか」って? いえいえそういう「自分のため」ではありません。今回お話する「自分のため」は、あくまで自分の利益や自己防衛。つまり、とーっても自分中心主義の資格の選び方なんです(笑)。

 ターゲットは「簿記」や「宅建」などのいわゆる有名資格。「経理じゃないから関係ないし」「別に不動産屋になるわけじゃないし」と、実務と関係ない場合はあっさり無視されがちな資格ですが、持っているとさまざまな場面であなたの暮らしを助けてくれる、素晴らしい側面を持っているんですよ。

■宅建 --- 一生の買い物“家”で後悔しない!

 例えば宅建(宅地建物取引主任者)。バブルの頃に空前のブームになり、年間30万人もの人が受験したこともありました(現在は17万人ぐらい)。実質的には不動産や建築関係者以外、実務面で役立つ場面は少ないという認識が強い資格です。それでもいまだ多数の受験者数を誇っているのは、「いつか役立つかもしれないから、とりあえず取っとけ」的な受験者が多いせいでしょうか。でも、いいです。とりあえず取っておいて(笑)。仕事上はともかく、生活面では必ず役立つ場面が訪れますから。

 例えば、賃貸の部屋を引き払うときに敷金がほとんど戻らず、抗議は試みたものの、のらりくらりと不動産屋にかわされて泣き寝入りをした人はいませんか? せっかく買ったマンションが欠陥住宅だったにも関わらず、どこに訴えてもなしのつぶてで悔しい思いをしている人はいませんか? ……今すぐ宅建を取りましょう。

 不動産会社には「実は私、宅建持っているんです」で効果十分です。恐らく100%態度が変わり、きちんと対応をしてくれること間違いなし。資格保持者に法的に訴えられては、営業ができなくなる可能性があるからです。さらに宅建を取ると、不動産関連のニュースにも自然に敏感になりますから、不動産の証券化、マンション減税などの有益な情報も蓄積できるでしょう。これから家を買おうと思っている人は、宅建を持っているだけで買い物の質がかなり変わってくる可能性アリ。一生の買い物ですから、急がば回れ方式で、足元を固めてから臨む方が賢いのかもしれませんよ。

■行政書士 --- トラブルの被害を最小限に食い止める

 次に「代書屋さん」と呼ばれる行政書士。お役所に提出する書類を、ただ地道に作っている仕事ではありません。1万種以上の書類が作れるこの資格は、憲法、民法、商法などあらゆる法律に精通できる資格でもあるのです。

 民法方面で最近行政書士への依頼件数が増えているのは、紛争処理手続き。裁判まで持ち込まないまでも、争いごとを解決するための法的書類がほしいという人が、彼らの元へやって来ます。その中で圧倒的に多い案件といえば離婚問題。離婚協議書の作成、ドメスティックバイオレンスへや子どもの養育費不払いの対処など、増え続ける離婚に伴って発生するトラブルは、行政書士によって解決されるケースが多いとか。とくに離婚で経済的不利に立たされることが多い女性にとって、これらの手続きを一通り知っていることはかなりの安心材料になるはず。もちろん、離婚するつもりで結婚する人はいませんが、転ばぬ先の杖として自分のために取得してみるのは一つの手かも。

 一方、商法方面で威力を発揮するのは、社会問題にもなっている悪徳商法。万一「だまされた!」と思っても、クーリングオフや解約手続きなどの書類が自分で作れれば、慌てず対処できるというもの。金銭的ダメージも最小限に食い止められます。また、交通事故などのトラブルに巻き込まれ加害者に誠意が見られない場合も、泣き寝入りなんて絶対ありえません。なんといっても自分で告訴手続きができるんですから。

 ほかにも、免許の書き換え、車庫証明の作成、実は外国人と結婚することにっ!突然遺産問題がっ!! など、人生で起こる大小さまざまな事件に対応可能。長い目で見ると自分のためにだけ資格を使っても、資格取得にかかった費用は充分取り戻せるような気がします。生活密着度でいえば、行政書士はナンバーワンでしょうね。

■簿記、FP --- 経済に強くなって人生に勝つ!

 経理職、金融業界関係者だけの資格、という思いこみはもう捨てましょう。

 例えば、あなたは最近株に興味を持っていませんか? ミニ株などが登場し個人投資家が急増中ですが、勝率は簿記の知識のあるなしでかなり変わってきます。なぜなら財務諸表が読めると会社の経営状態がわかり、投資しても安心な会社を見極められるから。経理、経済がきちんとわかると、投資のギャンブル性が薄れてきます。資産運用で人気の外貨預金だって、利息計算が自分でできてしまうので確実にお金が増やせます。もちろん独立開業する場合には、経営管理や原価計算など資格本来の使用方法(?)で役立てられます。

 国民年金破綻!? なんて噂も真実味を帯びている昨今、FP(ファイナンシャルプランナー)もあなたの家計を救います。「自分がどんな保険に入っているのかよくわからない」と多くの人が平気で話していますが、これは本当に年金が破綻してしまったら笑い話にはできません。簡単に破綻はしないまでも、受給金額はこれから先、減る一方です。FPを取得することで得られる保険、年金、金融商品全般の知識は、社会の超高齢化で何年続くかも知れないリタイア後の人生の助けに間違いなくなるのです。

 お金に対する不浄感が根強いせいかお金に無頓着な方が好ましいとされる日本ですが、これからの世の中、そんなことは言っていられません。ファイナンシャルプランニングや簿記の知識は、すべての人が最低限持っていて然るべきだと私は考えています(これは自分に対する戒めでもあるのですが…)。自分の暮らしに役立てるだけなら簿記3級、FP技能士3級、AFPのいずれかで充分。どれも3カ月程度の学習期間で取得できる資格ですから、みなさんも頑張ってみませんか?

 「仕事」ではなく「暮らし」の視点から選ぶ資格についてお話ししてきましたが、取得した資格を実務で活かさない手はもちろんありません。暮らしの中で自ら資格の威力を実感した経験のある人は、その身近さゆえにクライアントの立場に立った仕事ができるようになり、実務で成功する確率も高くなる…といった話も聞きます。資格選びに困ったら、今、自分自身が困っていることを解決してくれる資格を探してみる、というのもいいかもしれませんね。

まとめ

■取得する資格選びに困ったら「自分の暮らしに役立つものは?」という視点で探してみる。これまで遭遇したトラブルや資格保持者にお世話になった経験などの中にヒントあり。

■とくに法律、金融関連の資格は、どんなライフスタイルの人でも一生を通じてその知識が活かせる場面が多数。いずれも基礎レベルの級で構わないので、取得しておくと転ばぬ先の杖になってくれる可能性大。

■自分のために資格を活かした経験を持つ人は、資格の威力を身をもって実感している分、熱意を持って仕事に応用できる。説得力のある言葉で親身にクライアントに接するため、実務面での成功率も高くなる。

『緊急募集!』

当資格ブログでは、資格への質問、疑問、相談などを募集します。
「こんな仕事をしたいんだけど、それにつながる資格は?」
「こういう耳慣れない資格名を聞いたんだけど、どんな資格?」
「よく聞くあの資格の本当のところは?」
「今持っている、ほとんど日の目を見ない資格をどうにか活かしたいんだけど…」
など、なんでもOK。阿部志穂が当ブログで鋭くお答えします。
質問メールはこちらまで!
お待ちしています。


阿部志穂

学び
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Vol.10 ひと足早い、05年資格総まとめ!

 みなさんこんにちわ。今年も残すところ1カ月あまり。1年が経つのは本当に早いものです。もの書き・あべは、以前にここで宣言したキャリアカウンセラー資格の一次試験をクリア。現在、12月初旬の二次試験に向けてソワソワし始めているところです(実技試験なのでちょっぴり手抜き気味です…)。みなさんは今年、どんな新しい知識を吸収しましたか? 年末モードも徐々に色濃くなってきた今日この頃。今回はひと足早く、今年の資格業界(?)を振り返ってみたいと思います。

■ビジネスでは法令遵守系資格の登場と国家資格の大改訂が目玉

 この一年、新聞や資格情報誌などで圧倒的に注目を集めていたのは、個人情報保護や著作権保護など、コンプライアンス(法令遵守)に基づく資格の登場でした。「知的財産検定」や「ビジネス著作権検定」など、このブログでもいくつか紹介していますが、これらの資格は企業の関心も非常に高く、初回試験から複数の企業が団体受験したものも多かったようです。「知的財産検定」の1級などは合格率5.5%と、難関国家資格「弁理士」に匹敵する難易度だったようで、民間資格ながら主催団体の本気度がうかがえる形に。コンプライアンスが今後のビジネスにおいて、いかに重要な概念であるかを物語っている現象だと思います。

 また、さまざまな規制緩和が進む中、資格の世界にもその波が及び、今年から来年にかけて多くの国家資格の内容が改訂されることもニュースとなりました。

 会計士補の資格と三次試験が丸ごと廃止された「公認会計士」や、試験制度だけでなく業務範囲そのものが大きく変わる「中小企業診断士」など、ビッグウエーブが次々とやってくるので、ここしばらくは目が離せそうにありません。今、とくに独占業務系の国家資格を受験しようと思っている人は、改定内容を必ずチェックしておいてくださいね。

 …と、ここまでは、資格に興味がある人ならご存じの向きも多いであろうお話。ここから先はせっかくですから、もっと身近で興味深い、資格の動向についてまとめてみましょう。

■ブームのある所に資格あり。サブカル資格大充実の当たり年

 実は今年は、久々の“資格の当たり年”でした。とくにサブカルチャー系の資格は、各ジャンル、興味深いものがバランスよく出そろったな、という印象を受けました。

 中でも大勢力となったのは、「ロハス(Lifestyles of Health and Sustainability の略語“LOHAS”)」系資格と「ご当地検定」。

 ロハスとは、地球と環境に優しいライフスタイルのこと。スローライフという言葉とともに、大きなブームになりつつあります。新登場の「食育デザイナー」「オーガニックコンシェルジュ」は、この流れを確実に汲んでいる資格。これまでも「ベジタブル&フルーツマイスター」や「サプリメントアドバイザー」などを取り上げてきましたが、スローライフを食生活から実践している人が多いこともあって、これらの新フード資格も、ロハスをかなり意識した内容になっています。「雑穀ソムリエ」などニッチな資格も登場し、資格の世界でのロハスブームもまだまだ衰えそうにありません。

 一方のご当地検定は、京都商工会議所がスタートさせた「京都観光文化検定(通称:京都検定)」が、初回試験から9800人もの受験者を集めたという結果を受けて全国に広がったブーム。「九州観光マスター検定」「博多っ子検定」「沖縄旅行地理検定」「東京シティガイド検定」「北海道フードマイスター認定制度」「岡山文化観光検定」「秋田なまはげ伝道士」……出るわ出るわ、現在も実施を検討中の商工会議所は多数あると聞きますから、いずれ47都道府県、すべての「ご当地検定」が出そろう日が来るかもしれません。そして、すべての検定に合格すると「ご当地検定マイスター」の称号が与えられるようになる…なんて日も、来る、かな(笑)?

■資格そのものに注目が集まった1年。気軽に挑戦してみよう

 この2大潮流以外にも、「取得すれば、ちょっと暮らしが楽しくなる」という生活密着型の資格が今年はたくさん登場しました。

 例えば「デジカメエキスパート」。これは、趣味レベルでもっと写真を楽しく撮るための知識とスキルを修得する資格。パソコンを駆使したオリジナルのアルバム作りやブログなどに夢中になっている人は、挑戦してみる価値大。すでにプロはだしのテクニックを誇るあなたなら、ワンランクアップしてセミプロクラスの「フォトマスター検定」を目指すのもひとつの手。好きな写真を仕事にするチャンスが巡ってくるかもしれません。

 また、家事が得意なミセスなら「ハウスキーピングコーディネーター」で腕試しをするのもおもしろそう。同じ資格団体が行っている「整理収納アドバイザー」もあわせて取得すれば、資格をきっかけに家事評論家に転身!なんて可能性も広がりそうです。

 さらに、「新しい資格を新しいうちに」の法則に則れば、来年スタート予定の「メンタルヘルス・マネジメント検定」に今から注目しておくのもいいでしょう。従業員の心の健康の維持・促進は、企業の大命題になっていますから、いち早く挑戦することで、組織内で高い評価を得ることができるでしょう。

 今年1年は、資格そのものに世間の関心が集まったことも、大きなニュースでした。朝の某情報番組で、ユニーク検定の紹介コーナーに人気が集まったり、お勉強モードのクイズ番組が量産されたり。多くの人が資格を身近に感じることができたのではないでしょうか。

 来年もユニークな資格はまだまだ登場しそうです。最新情報が入り次第、またこの場で紹介しようと思っています。

まとめ

今回登場した資格の詳しい情報が掲載されているURLを紹介します。

◆ロハス系
「食育デザイナー」日本食文化環境研究所
http://foodapproach.com/

「オーガニックコンシェルジュ」オーガニックコンシェルジュ協会
http://www.oca.gr.jp/

「雑穀ソムリエ」日本雑穀協会
http://www.zakkoku.jp/somurie.html

◆ご当地検定
各都道府県の商工会議所のホームページから検索してみてください。

◆その他生活密着型資格
「デジカメエキスパート」Yahoo! インターネット検定
http://cert.yahoo.co.jp/beginner/digicam.html

「フォトマスター検定」フォトマスター検定協会
http://www.pm-kentei.com/

「ハウスキーピングコーディネーター」「整理収納アドバイザー」
ハウスキーピング協会
http://www.housekeeping.or.jp/

「メンタルヘルス・マネジメント検定」大阪商工会議所
http://www.osaka.cci.or.jp/


阿部志穂

学び
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Vol.9 大学・大学院は資格の殿堂!

■いまや、大学、大学院は社会人のもの!?

 最近、一度社会に出てから改めて大学の扉を叩く人がとても増えています。「社会人大学・大学院」というキーワードに興味を持っている潜在層も多いようで、わたしが担当している某誌では、社会人大学特集を組むたびに高い読者支持率をいただいています。

 ひと昔前、社会人が大学で学ぶ最大の理由は「学歴改造」、つまり、学位を取って就職条件や社内での昇進条件を有利にしたいと考える人が大半でした。しかし、ビジネスのあり方が大きく変わってしまった昨今、社会人入試を目指す人たちの目的も、学歴改造から学ぶことそのものへシフトしてきているようです。

 また、一般学生よりしっかりした目標や熱意を持って講義に臨む社会人学生の存在は、大学そのものの活性化にもつながっているそうで、多くの大学・大学院が社会人学生を歓迎。社会人特別選抜枠を設ける大学は5年前の実に1.5倍に増え、平成10年には622だった大学学部が平成15年度は982に増加しているほど。以前に比べ、社会人が大学・大学院に入ることは、それほど高いハードルではなくなってきているのです。

■パワーはかかるけれどメリットもいっぱい!

 さて、大学・大学院で社会人が学ぶ目的は、具体的には「資格の取得」であることが多いようです(学士、修士、博士号も立派な資格のひとつですが)。みなさんが思い浮かぶのは、実際に学生時代に教育実習をした人も多いであろう各種教員免許や保育士資格、ニュースでも頻繁に取り上げられるMBAやロースクールで話題の司法試験などでしょうか(※ロースクールを卒業しただけでは司法試験の合格証はもらえません)。けれど、今や大学は「やりたい仕事を実現する場」へと変貌中。取得できる資格もそれだけではありません。医療・福祉、教育、国際・政治・経済、歴史・文化、文学、人気の環境や心理系からデザイン、建築、芸術などあらゆる学部が存在するだけに、取得できる資格も多岐にわたっています。どんな資格が取れるのかは下記にまとめたので、参考にして下さいね。

 ただ、単に資格を取得するだけなら、なにも大学で何年もの時間をかけなくてもいいかもしれません。学費だって高額だし、仕事や家事・育児と勉強を両立するのだって大変。単位が取れなければ留年だってあり得るわけですから。そうと知りながら社会人が大学で学ぶ理由は、資格スクールに通う以上のメリットがあるからと考えるのが妥当でしょう。その理由を探るヒントは、わたしがこれまで取材した社会人学生の多くが口を揃えていった台詞にあると思います。「大人になって、世の中の仕組みや自分の目標がわかるようになってからする勉強は、信じられないくらい楽しい!」

 この言葉は、最高学府で学ぶことがいかに知識欲を満たしてくれるかということを象徴しています。試験に合格するために知識だけではなく、興味のある分野を体系立てて徹底的にその道の専門家(教授)が教えてくれる。社会に出て生き方や働き方にさまざまな疑問を抱いた人、その資格や知識がなぜ必要なのか納得したい人…そんな人の気持ちにも大学は応えてくれるのです。また、どんな肩書き、年齢、境遇の人もみな平等に「学生」という立場で机に向かうことのできる純粋な世界にはまってしまったという人も多数。目的は違っても志を同じくする仲間と培った知識や人脈が、卒業後の進路にも大いに役立つという声も聞かれます。資格や学歴といった具体的なもの以外に得られるものが、どうやら大学・大学院にはたくさんあるようなのです。

■学生生活のスタートを切るなら通信制がオススメ

 とはいえ、実際に興味を持って大学に入学してみたくても、先に述べたようなハードルが高くて躊躇する人もいることでしょう。そこでわたしがオススメしたいのは、通信制の大学・大学院です。

 自宅で好きな時間に学ぶことができ、学費は通学制大学のおおむね1/10程度で、ほとんどの大学で無試験で入学が可能。どうです、学生生活を始めるのに抱く不安が、通信制大学・大学院ならほとんどクリアできてしまいませんか? 実際、学費が数百万円単位でかかってしまう通学制大学はここ数年在籍者数が横ばいになっているのに対し、通信制は右肩あがり。現在、全国で24万人もの人が通信制大学の学生として学んでいます。この現象を受けて3年前には大学院の博士課程もスタート、大学も学べるジャンルが年々充実し、通学制の大学とほぼ遜色がありません。また、年に数回行われるスクーリングもインターネット受講で単位がもらえるなど、社会人にとってうれしいシステムが充実しています。ちなみに、通信制大学の出願期間は4月と10月の2回。出願期間が長く設定されている大学も多いので、調べてみれば今すぐ入学できる大学もまだあるかもしれませんよ。

 誌面の関係で詳しく触れられないのが残念ですが、現在の大学・大学院は、ほぼ確実に個人のニーズに応えてくれるところまで進化しています。人間関係学、マンガやアニメなど新しい学問分野にも敏感ですし、子どもがいる学生のために託児所を開設する大学だってすでに少数派ではありません。興味がある人は、条件であきらめずにぜひ調べてみて下さい。まとめ欄には大学の情報が収集できるソースも掲載してみました。

まとめ

◆現在大学で取得できる主な資格

 (★印は通信制大学でも取得可能な資格)
 (大学によって取得できる資格は異なります)

<医療・福祉系>
・資格取得が可能
 介護福祉士、音楽療法士
・受験資格の取得が可能
 社会福祉士★、精神保健福祉士★、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、はり師・きゅう師、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師など

<教育系>
・資格取得が可能
 各種教員免許(8種)★、保育士★、学芸員★、司書★、学校図書館司書教諭★
・受験資格の取得が可能
 社会教育主事★

<法律・ビジネス系>
・資格取得が可能
 MBA
・受験資格の取得が可能
 司法試験、社会保険労務士★
・受験科目の免除
 税理士★、弁理士、公認会計士★、不動産鑑定士★

<その他>
・資格取得が可能
 測量士★、測量士補★、栄養士、食品衛生管理者
・受験資格の取得が可能
 二級建築士★、管理栄養士、産業カウンセラー★


◆社会人入試情報が収集できるお役だちサイト

社会人のための大学案内
 http://www.edunavi.net/d_shakai/index.html
 社会入試の基礎知識や統計データなどがわかりやすく記載されている。ベーシックな知識はここで。

All About 社会人の大学・大学院
 http://allabout.co.jp/study/adultedu/
 教育ジャーナリストのガイドが指南。最新情報が多角的な切り口で網羅されている。

大学入学情報図書館RENA
 http://www.rena.gr.jp/
 社会人入試情報の老舗サイト。基礎知識、最新情報のほか、会員登録すると過去問題の閲覧なども可能。


阿部志穂

学び
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